ファイドと申します。ちょくちょくコメ欄に出没してましたが地味に初投稿です。
この度「実質種族値720wwww」とか調子に乗ってる輩にダイパリメイクの夢を奪われてしまったので実質的なダイパの主人公である鳥さんとともにゲーフリにアピっていきたいと思います。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体とする
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをそれぞれHABCDSと表記
- ポケモン名やタイプ、持ち物に一部略称を使用
- ダメ計にはトレーナー天国様のものを使用
- 蛇足の項は読み飛ばし推奨
はじめに
"誤魔化し"という概念がある。一般的にはパーティ単位で重いポケモンを何かしら強引に突破していく、いわば苦し紛れの抵抗である。またこれを専門におこなう"誤魔化し枠"なるものも存在し、有名どころとしては、
- 道連れ等による誤魔化し
メガゲンガーミミッキュサメハダーメガジュペッタ命がけ、がむ石火
- 瞬間火力による誤魔化し
弱保ギルガルド(シールド)(←次回作くん)ゲッコウガ(技範囲の広さも込み)
などがあり、火力のインフレが進んだ現環境において役割が曖昧ながらも一定の信頼を寄せられている。今回はスカーフ命がけによる誤魔化し性能を持つムクホークを紹介する。
このポケモンの強み
- 命がけによる強引な突破
命がけとは自分が瀕死になる代わりに相手に自分の残りHP分ダメージを与えるという技である。今回はスカーフを巻いてこれを上から打つというコンセプトなのだが、ここでこのポケモンのHPを見ていただきたい。
ムクホーク
種族値85 H244で実数値191
この191という数値、16n-1というHPのメジャーな調整値をちょうど押さえているのである。これによりHP満タンからならH振りのアタッカー、ポリゴン2を始めとする耐久型をS250から確実に吹き飛ばすことができるのである。
ムクホークは命がけ持ちの中でHPが最大であり、この実数値には以上のメリットがあるため他の命がけ持ちとの差別化は省略する。
また前項で挙げた道連れ、がむ石火系は相手依存かつ相手の行動を少なくとも1回許してしまう。それに対し命がけは能動的に相手の行動を許さず発動できるため差別化出来ているとする。
- 威嚇+蜻蛉によるクッション性能
詳しくは後述するが、特性威嚇による擬似的な物理耐久と霊&地無効という耐性により、サイクル戦におけるクッション役として使うことができる。この場合、「HPが削れてしまったら役割放棄になるのでは?」と思うかもしれないが、多少削れたとしても高いS、通りのいい飛行技を含めた有用な技を持つため腐ることなく相手に負担をかけていくことが可能である。
ただし、このクッション枠にはランドロス(霊獣)という強力なライバルがいる。同じ飛行タイプ威嚇持ちであり耐久力、火力共に向こうの方が上だが、4倍弱点の有無、遂行速度で差別化は一応可能である。
<蛇足>
- 型がバレづらい
「読まれにくい」ということを強みにあげることはあまり好きではないが、ムクホークはすでにこのサイトにあるように高火力アタッカーとしても使われる(3/2現在、特性捨て身が7割、意地っ張りが5割を占める)。実際筆者も騙されたことがあるのだが、たまーに出てくると割と読みづらい。オウム返しz型めっちゃ強いよ
採用理由
ここまでの内容を踏まえて、
- 高速かつ確実性の高い誤魔化し
- 汎用性のあるクッション
- 地、霊の一貫切り
- ダイパ世代であれば抱いているであろうこのポケモンへの愛と感謝
以上の理由で採用が可能である
持ち物
コンセプトにより拘りスカーフで確定
詳しくは努力値欄
技構成
それぞれの仮想敵は命がけを撃つよりもメリットが大きい場合を示している。ただし多くの場合命がけを撃つ方が良いことを理解頂きたい。
- 確定技
命がけ、蜻蛉返り
仮想敵不特定
採用理由より
後述するが、命がけは霊に無効化されるので注意
- 準確定技
ブレイブバード
仮想敵ウルガモスキノガッサメガバシャーモメガミミロップ
タイプ一致で通りもいいメインウェポンたり得る技。反動が辛いため余り打つ機会はないが、なかったらなかったで不便。火力はアーゴヨンのヘドロウェーブ程度。
がむしゃら
仮想敵不特定
ここまで触れてこなかったが、サイクルを回してHPが削れた後、退場際に打つ。
場合によっては命がけよりもダメージが入るため、第2、第3のダメージソースとして有用。ただしこちらも霊に効かない。
- 選択技
ギガインパクト
仮想敵(削れた時)ゲッコウガ
タイプ一致最高打点
こいつが普通に殴りにいくことはあまりないので切り気味に打つのもアリ。ゲコが7割で落ちるようになるため、最近増加気味のけたぐりz(+手裏剣)を耐え後出しから処理できるようになる。ただし霊に効かない。
インファイト
仮想敵バンギラスメガルカリオ
こいつのアタッカー性能を引き上げる技であり鳥のくせに何故か覚えることで有名。アニポケでサトシのムクバードが進化してインファかまして勝利したシーンは激アツだったが、この型ではバンギを飛ばせるか飛ばせないか位の火力なため優先度は低い。あと霊に効かない。
追い風、羽休め
有利対面で打てればアド。ただし役割が違うため優先度は低い。
- その他採用を見送った技
オウム返し 発動しづらいz型強いよ
捨て身タックル 仮想敵は電気だがどうあがいても他の技の方が有用
その他変化技 打つ暇ない
調整
- 案1(確定欄はこちら)
陽気
努力値 H244/A12/S252
実数値 H191/A142/B90/C-/D80/S167
H 上記の通り
A 余り、Dに振るとメガゲンガーの乱数がズレる
S 現環境にはカプ・コケコゲッコウガ等弱点を突いてくる高速ポケモンが跋扈していること、1積みorスカーフ100属(このへんメガリザードンXメガリザードンYウルガモスメガバシャーモ)に対し同速対決を仕掛けることを考慮して陽気最速
この型の基本となる調整であり、Hが16n-1でステロダメが最小となるためサイクルパーツとしても扱いやすい。
- 案2
陽気
努力値 H252/A4/S252
実数値 H192/A141/B90/C-/D80/S167
調整の意図は案1とほぼ同じ
Hを252振りにする事で稀に出くわすHぶっぱポリゴン2も確実に狩ることができ、命がけやブレバなど消耗技を多く使うためHP1の差が活きてくる場合がありこちらも一考。
ただしステロ×4で落ちるため繰り出し性能は下がる。
(詳しくは以下の蛇足にて)
<蛇足>
その1
案1のAの12をDに振るとメガゲンに強くなるのでは?と考え自力で計算してみた。(以下D12振りで計算)
メガゲンガーHSぶっぱの場合
こちらがブレバの反動+ヘド爆を確定耐えするため、一応処理は可能
ただし相手はブレバ後でも身代わりが貼れるため安定はしない
メガゲンガーCSぶっぱの場合
身代わりの心配は少ないが、ブレバ反動+ヘド爆で毒の追加効果を考慮すると50.4%で落とされる
総じて、Dに振っても不利対面には変わりないが乱数が20%程ズレるためそれなりに価値はあるといえる
その2
Hの実数値を191(案1)にするか192(案2)にするかで議論が起こった。これまでに上がった意見から結論として案1を優先させたのだが、筆者がそこに至った根拠をまとめておく。
・ネット上の構築記事や育成論より、ポリゴン2のHぶっぱには「トリル始動役として早く退場する」という意図しか見られず、そのため再生を切っている場合が多いと思われる。よって耐えられたとしてもHP1で、裏の先制や鈍足ポケで突破は容易である。
また全体の個体数が極端に少なく、トリル持ちの中でも少数派であるため事故として割り切れる程度である。
・命がけは意外と初手から狙った相手に撃てることは少なく、サイクルを回さざるを得ない場合が多い。消耗技のためのHP1と繰り出した際のステロダメ1を天秤にかけた結果、後者の方が重要であると判断した。(こればっかりは経験則なのでなんとも言えない)
運用にあたっての注意点
ここまでちょくちょく触れてきたが、ゴーストタイプに何もできない。というのも、命がけは格闘タイプの特殊技でありゴーストタイプには無効化されるのである。
とはいえ現環境に存在する霊はメガゲンガーギルガルド(シールド)ミミッキュだけである。どれもトップメタであり対策できていないパーティはぶっちゃけ欠陥だが、ここでもう一つ問題がある。なんとこいつ、飛行タイプのくせに格闘を半減できないのである。つまり霊対策で悪を組み込んでも安定した引き先たり得ないのである。ただしこちらも環境にはメガバシャーモメガルカリオキノガッサ位しかおらず、ガッサ、バシャは一応後出しで処理できないこともないため、こちらはあまり大きな問題ではないと考える。
相性の良い味方、構築
ここまでの内容を踏まえて、
- メガゲンガーギルガルド(シールド)ミミッキュを倒すことができる
- 何かしら重いポケモン、タイプがいる
という条件を満たす構築には積極的に採用できる。ただしステロが重くなりすぎるのは危険。
単体では、
ミミッキュギルガルド(シールド)に強い水zパルシェン
メガゲンガーギルガルド(シールド)に強いメガバンギラス(ただし闘が重い)
3体ともに強く高い耐久力と追い討ち、通りのいいはたき落とすを持つベトベトン(アローラ)(唯一の弱点である地をムクホークで無効化可能)
その他サイクル向きのポケモンなどをオススメする。
また頑丈、襷を含め命がけで狩り残した相手に刺す先制技持ち、その他高速アタッカーも強力。
運用方法
基本的には初手または死に出しで対面した相手が
- 命がけで倒す必要がある場合
→即打つ
- 後続が後出しから倒せる/起点にできる場合
→蜻蛉
また、相手に霊がいる場合は出来るだけ選出を避けたいが、やむを得ず選出し対面した場合
- メガゲンガー対面
出来れば蜻蛉・倒せなくはない
即帰還・この時毒、剣舞を撃たれる恐れ
- ミミッキュ対面
蜻蛉で皮を剥げる・zか剣舞をしてくる・皮なしA1↑or A1↓zなしを脅威と見るかは人それぞれだが分が悪いことには変わりない
また、蜻蛉で戻ったあとは地、物理、(霊)に後出しし、クッションの役割を果たすことができる。
物理技は威嚇込みで不一致弱点くらいならほぼ耐えるが、先制持ちには注意
また特殊方面はSF下C252カプ・テテフのサイキネが中乱数くらいと覚えておけば便利かもしれない
ダメージ計算
ここまでが長いので出来るだけ省略する。これ以外は適宜推測、計算して頂きたい。
性格補正込み252振りを"特化"と表記
- 与ダメ
ブレバ
メガゲンガー H252 57.8〜68.6% 、確2
(無振りでも確定数変わらず)
ゲッコウガ無振り 75.5〜89.7%、確2
メガバシャーモ無振り 123.8〜147.0% 確1
- 被ダメ(物理は威嚇込み)
メガバシャーモ A252 膝 60.2〜71.2%、確2
メガルカリオ A252 インファ 69.1〜81.6%、確2
キノガッサ 特化 マッパ 26.7〜31.9%、確4
ミミッキュ 特化 ミミz 64.9〜76.9%
じゃれ 30.3〜36.6%、乱3
メガギャラドス 特化 氷牙 42.9〜51.3%、低乱2
ゲッコウガ C252 冷B 103.6〜122.5、確1
メガゲンガー C252 ヘド爆 73.8〜86.9%、ブレバ反動、追加効果込みで中乱1
同C0 63.3〜75.3%、ブレバ反動込み確定耐え(毒は知らん)
カプ・テテフ C252 SF下サイキネ 91.0〜107.3%、中乱1
どうしてもというのがあれば追加するが基本は即死役なので必要性は感じられない。
最後に
いかがだっただろうか。ちなみに筆者はこの型を育成した際、ちょうどHが191になったことに軽く鳥肌が立った。恵まれた見た目と鳴き声、この美しい数値、さらにダイパでの圧倒的活躍、ファイヤーの代わりに三鳥と呼ばれる日も近いのではないだろうか。(適当)
更新履歴
3/3 12:00
相性の良いポケモンにベトベトン(アローラ)を追加
(Twitterより、ありがとうございます)
運用方法の項にサイクルについて追記、対応するダメ計を追加
同 18:15
技構成の項にそれぞれの技の仮想敵を追加
3/4 10:15
努力値調整欄に案2を追加、それに伴い蛇足を加筆