この型のコンセプト
この育成論のコンセプトは大きく分けて3つあります。どれも「トリックルーム」と「ほろびのうた」を使用しますが「トリックルーム」の打ち方により、用途が変わってくるので分けて説明します。
※この育成論は「ほろびのうた」の最終ターンまでに相手ポケモンが交代することを前提にして育成論を進めています。「ほろびのうた」の最終ターンに相手が交代せずに居座り、サケブシッポが倒されてしまった場合は1:1交換という解釈でお願いします
コンセプト1(「ほろびのうた」→「まもる」→「ステルスロック」→「トリックルーム」)
この展開では「トリックルーム」を最大ターン(4ターン)残した状態で裏のトリルエースに繋ぐという形になります。簡単に説明すると「トリックルーム」を使ったターンの終了時に「ほろびのうた」の効果で退場するというものです。
従来の「トリックルーム」→「おきみやげ」や「のろい」と違い、味方に繋ぐまでに少し手間がかかりますがなんといっても1ターン多くトリルターンを残すという恩恵を受けることができます。
これにより今までなかったトリルエースが「つるぎのまい」や「わるだくみ」といった積み技を使用して3匹倒すという展開ができるようになります。
コンセプト2(「ほろびのうた」→「まもる」→「トリックルーム」→「まもる」)
この展開ではお互いのポケモンが残り1体のみになった場合に使用します。
「ほろびのうた」の基本的な使い方ですが、「トリックルーム」を併用することにより、素早さが低い敵に対しても有効な戦術と化します。
「ほろびのうた」は本来、お互いのポケモンが「ひんし」状態になる場合、素早さが高いポケモンから順に「ひんし」状態になるという仕様があります。ですが、トリックルーム下においては素早さが低い順に「ひんし」状態になるという仕様も存在します。
なのでこのサケブシッポより素早さが高いか低いかで「トリックルーム」を使用するかしないかを決めれるので「ほろびのうた」による相打ちの勝負に勝つことができます。
コンセプト3(「ほろびのうた」→「まもる」→「トリックルーム」or「ステルスロック」or「まもる」→交代)
こちらの展開は1舞積みポケモンを流す目的で使用します。例を挙げるとウルガモスやカイリューといった積み技を持っているポケモンと相性が不利な味方のポケモンが対面してしまった場合など「りゅうのまい」や「ちょうのまい」で全抜きされるケースを想定しています。
1舞であれば抜群を突かれない限りは2発耐える耐久力があるので、「まもる」を絡めることで後出しでも積みポケモンを流す展開を行うことができます。
持ち物
「ちょうはつ」を受けても最低1回は行動保証がある「メンタルハーブ」が使いやすいです。
「アンコール」も無効にできるので、1ターン目に「ほろびのうた」を使っていた場合、「まもる」と合わせて最低でも「アンコール」を2回防ぐことができ、コンセプト1とコンセプト2の「ほろびのうた」から「トリックルーム」につなげる動きのどちらも可能になります。
この型の場合「オボンのみ」などで耐久力をさらに上げることも強いですが、元々の耐久種族値が高いことで、抜群を突かれない限りは大抵2耐えぐらいの耐久は確保できています。
性格・努力値と調整
H:素早さや攻撃に努力値を求めていないので、耐久に全て回しています
B:A252(ようき)『こだわりハチマキ』ドラパルトの「テラバースト(ゴースト)」を低
乱数耐え(84.7~101.0%:乱数1発6.25%)
D:C252(おくびょう)サーフゴーの「ゴールドラッシュ」を確定耐え
候補
性格(おだやか)
今回の型は性格補正をつけて、ドラパルトの「こだわりはちまき」テラバースト(ゴースト)までほぼ見れるようにしていますが、性格を「おだやか」にすることによって、テツノドクガのブースト込み「ヘドロウェーブ」を確定で耐えることができ、ハバタクカミのブースト込み「ムーンフォース」も確定3発になるのでテラスタルを使うことにより、上記の2体はもちろんのこと、初手で対面しやすいキラフロルに対しても安全に「トリックルーム」までの展開をつなげることができます。
選出率などは環境によって変わってくるのでその時の環境に合わせていただくのがいいと思います。
技(ミストフィールド)
ステルスロックの枠の候補技として「ミストフィールド」を挙げておきます。
「ミストフィールド」にすることで、「きのこのほうし」や「あくび」で妨害してくる敵を止めることができます。
この型は「ちょうはつ」で妨害してくる敵も苦手ですが、「あくび」展開もこの型に対する妨害性能としてかなり強いので視野に入れておいた方がいいです。
「あくび」の場合は打たれてから「ミストフィールド」を使用しても問題ないので、トリックルームを張った後でもミストフィールドが残りやすいのも強いところです。
味方の積みアタッカーに「おにび」を入れられるリスクなども考慮すると、かなり有力な候補技だと思います。
※キノガッサの「きのこのほうし」を警戒する場合はSに努力値を28振ることによって、相手が最速でも抜くことができます。
テラスタル
元々は弱点である「ゴースト技」を半減にしつつ「いたずらごころ」オーロンゲなどの「ちょうはつ」を無効にできる「あく」を使用していたのですが、「あく」にする理由が今の環境の場合、ほぼオーロンゲピンポイントのようなところがあり、それ以外は基本的に「ノーマル」テラスタルの方が扱いやすいと感じています。
特に「ゴースト」「フェアリー」の複合タイプが環境にオーロンゲハバタクカミミミッキュと多い上に、「フェアリー」テラスタルで採用されているポケモンの使用率も高いことで環境によって変わってはきますが「ノーマル」テラスタルの方が今の所優先度は高いと感じています。
サケブシッポ自体が初手出しに読まれやすい傾向もあるので、なるべくテラスタルは温存しておくことが望ましいですが、「トリックルーム」展開ができなかった場合、選出次第では後の展開がかなり苦しくなることもあり、切らざる得ないことも多いです。
立ち回り例
相手が「ちょうはつ」を持っている可能性があるポケモンには「まもる」から入ります。
相手の技構成や「ちょうはつ」があるかないかでその後の展開も変わる上に「テラスタル」を切ってきた場合はかなりアドバンテージが取れます。
また、低確率にはなりますが「ちょうはつ」を受けた場合でも「メンタルハーブ」で1度は無効にするので「ほろびのうた」を最初のターンに使っていた場合は、その後2連続「まもる」を打つことによって「ほろびのうた」→「トリックルーム」の流れを作ることはできます。
素早さに努力値を回さない理由
サケブシッポは素早さ種族値が111とかなり高く、性格補正をかけなくてもある程度素早さに振るだけでウォッシュロトムやコノヨザルを抜くことができます。
特にコノヨザルは「ちょうはつ」を持っている型も一定数存在し、こちらが素早さの上をとっている場合、「メンタルハーブ」込みで2回行動保証がありますが、それでも「ちょうはつ」を受けた場合は、「ほろびのうた」→「トリックルーム」の流れは作れず、「ほろびのうた」→「ステルスロック」止まりになってしまいます。
素早さで上を取っていても「ちょうはつ」を受けた場合はコンセプト通りの流れにすることはできないため、今回はSを振らず、耐久力に努力値を回しました。
立ち回りの項目で2連続「まもる」の展開を説明していますが、2連続「まもる」の展開を行う場合は「素早さ」で上を取っていても取っていなくても「ほろびのうた」→「トリックルーム」の流れは可能です。
苦手なポケモン
サーフゴーサーフゴー
「おうごんのからだ」によって「ほろびのうた」の効果を受けず、タイプ相性でも不利になってしまうポケモンであり、「わるだくみ」で起点にされてしまう可能性があります。
このポケモンに対してコンセプトの「ほろびのうた」からの展開はどうしても通じないので、「トリックルーム」だけ打って交換するか、「トリックルーム」からの「ステルスロック」等で相手の攻撃を受けてトリルエースを死に出しという流れになります。
「ゴールドラッシュ」を確定1で耐える調整をしているので「トリックルーム」を展開する最低限の仕事は可能です。
相性の良い味方
ゴチルゼル(ゴチルゼル)
特性「かげふみ」により相手の交換を防ぐことができます。「ほろびのうた」と相性がかなりよく、今回の型の場合、選出しなくてもパーティ内に入れておくだけで、相手は連続「ちょうはつ」で居座る展開が難しくなるので、コンセプトの流れを遂行しやすくなることはもちろんのこと、「ほろびのうた」→「かげふみ」の展開も可能になります。
ラウドボーン(ラウドボーン)
特性「てんねん」で積み展開に対して強く、今回の型のサケブシッポがサーフゴーの起点になりやすいので、トリルエースとしての運用はかなりおすすめです。
H252で性格補正のないサーフゴーの「シャドーボール」を確定で耐えるので「トリックルーム」を展開した後、受け出しからの返しの技で倒すこともできます。
ただ、「シャドーボール」や「フレアソング」では返しのターンで1撃で倒せれないので、テラスタルで威力を上げるか「だいもんじ」等の威力の高い技の採用が必要となります。
持ち物は「のどスプレー」がおすすめです。
ドドゲザン(ドドゲザン)
耐久力、攻撃力が高く、この型がサーフゴーに対して特に弱いので、サーフゴーに強いこのポケモンはかなり相性がいいと思います。
ただ、テラスタル等で対策を取られていることが多いため、可能であれば「トリックルーム」を張った状態からの受け出しが理想です。
「ほろびのうた」によってサケブシッポが「ひんし」状態になることが前提の型なので特性の「そうだいしょう」のバフも受けることができます。
ダメージ計算(被ダメージ)※性格補正なし
A252ミミッキュシャドークロー---39.7~49.1%(確定3発)
A252ガブリアスじしん---28.4~33.8%(乱数3発:0.31%)
A252イルカマン(ナイーブ)ウェーブタックル---39.2~46.4%(確定3発)
A252マスカーニャトリックフラワー(急所込み)---27.0~32.5%(確定4発)
C252ウルガモスほのおのまい---28.4~33.8%(乱数3発:0.31%)
C252ウォッシュロトムハイドロポンプ---32.5~38.3%(乱数3発:97.29%)
C252サーフゴーシャドーボール---55.0~65.8%(確定2発)
C252キラフロルヘドロウェーブ---64.9~76.6%(確定2発)