はじめに
こんにちは。マグロの刺身です。
今回はオオニューラオオニューラの育成論を書いていきます。
オオニューラは優秀でかつ面白い特性「かるわざ」を持っているため、現在も様々な型が開拓されているポケモンです。
かるわざ
持っている道具がなくなると『すばやさ』が2倍になる。再び道具を持つと元に戻る。最初から道具を持っていない場合は効果がない。
今回はその中でも珍しい補助技を2つ採用した型について書いていきます。
ぜひ最後まで見ていってください。
尚、この育成論はフォークを行っている育成論です。
フォーク元の育成論も読んでいただけるとより理解が深まるかと思います。
(育成論SV/2288)
注意点
- この育成論は下記の育成論のフォークを行っています。
(育成論SV/2288)
努力値、持ち物、特性は同じでありますが、
- フォーク元の育成論のコンセプトにプラスして、剣舞挑発で相手の耐久ポケモンを崩すことがコンセプトである
- フェイタルクローが確定技ではない理由を説明する必要がある
以上の2点から、既存の育成論にコメントで補足するという形ではなく、フォークを行い新規投稿という形をとっています。
- この育成論は非公式の用語を使用しています。なるべく一般的に使われている用語を使用していますが、わかりにくい用語があればコメント欄でいただけるとありがたいです。
- 個体値はすべて理想個体とします。
- ダメージ計算はダメージ計算SV for ポケモン スカーレットバイオレットを使用しています。
- この育成論はレギュレーションDを想定しています。
- 質問やアドバイスがあればぜひコメント欄によろしくお願いします。
コンセプト
全抜き+受け崩し
フォーク元の育成論のコンセプトである「特性のかるわざを発動させて全抜きを狙いに行く」にプラスして「つるぎのまい+ちょうはつで相手の耐久ポケモンを崩す」をコンセプトとしています。
「つるぎのまい、ちょうはつ、フェイタルクロー、選択枠」という技構成にしてしまうと鋼タイプ・毒タイプが厳しくなりがちですが、あえてフェイタルクローを確定技から外し「つるぎのまい、ちょうはつ、選択枠、選択枠」とすることで、対応できるポケモンの範囲を増やすことができます。
*あくまでフェイタルクローが確定技から外れるだけであり、フェイタルクローが100%不要というわけではありません。
強み
この育成論のオオニューラの強みは以下の2つです。
- 高速・高火力による全抜き性能の高さ
- 受け崩し性能を有している
1.高速・高火力による全抜き性能の高さ
素早さ種族値120と特性かるわざを組み合わせることで、スカーフ持ちも含めた環境にいるポケモンほぼ全てに上から攻撃することができます。
また、上記を見てもらえればわかる通りかなり素早さに余裕があるため、性格を意地っ張りにして火力を高めたり、努力値を防御方面に回して耐久調整をすることも容易です。
また、攻撃種族値も130と比較的高いです。
そのままの状態でもそこそこ火力は出ますが、そこからさらに剣舞を積むことで全抜き性能をより一層高めることができます。
2.受け崩し性能を有している
一般的なフルアタ型のオオニューラは耐久ポケモン(サンダークレセリアヌメルゴン(ヒスイ)コノヨザルキョジオーンモロバレル等)に弱く、特に隠密マント持ちのポケモンには起点にされてしまうことも少なくありません。
ですが、
- 相手の回復技、積み技、状態異常技を防ぐ挑発
- 自分の攻撃力を上昇させる剣舞
この2つの技を採用することで、逆にそれらのポケモンを起点にすることができます。
フェイタルクローを確定技としていない理由
フェイタルクローは非常に強力な追加効果を持つ技であり、環境にいるオオニューラのほとんどが採用している技です。(7/9現在、ランクマッチ環境・シングルバトルでは採用率97.7%)
フェイタルクロー
タイプどく 威力80 物理技
50%の確率で、相手を『どく』『ルガルガン(まひる)』『ねむり』状態のいずれかにする。
この強力かつ使用率が高い技を確定技としていない理由は主に2つあります。
- 毒タイプが攻撃方面であまり優秀ではない
- 追加効果を発動させる機会が少ない
1.毒タイプが攻撃方面であまり優秀ではない
毒タイプは防御面においてはかなり優秀ですが、攻撃面においては抜群2つ(くさ、フェアリー)、半減4つ(どく、じめん、いわ、ゴースト)、無効1つ(はがね)とあまり通りが良くありません。
そのため、攻撃技を2つしか採用できない剣舞挑発型で毒技のフェイタルクローを採用してしまうと、打点を持てないポケモンが一気に増えてしまいます。
例えば、毒・格闘の範囲ではランドロス(霊獣)サーフゴーコノヨザルヤドキング(ガラル)に打点がなく、毒・地面の範囲ではランドロス(霊獣)アーマーガアに打点がありません。
全抜き性能を保つにはできるだけ多くのポケモンに打点を持つ必要があるため、フェイタルクローを採用した場合その点で引けを取ることになってしまいます。
2.追加効果を発動させる機会が少ない
この型のオオニューラは、剣舞を積んで火力を高めて相手のポケモンを1発で倒すことを想定しています。
そのため、相手のポケモンを1発で倒すことが多く、他の型のオオニューラと比べて追加効果を発動させる機会が少ないです。
また、仮に倒せなかったとしても相手のHPは残りわずかであることが殆どであり、毒ダメージによる確定数の変化・麻痺による痺れの恩恵を得ることもあまりないです。
さらに、この型のオオニューラは特性かるわざが発動している場合が殆どであり、麻痺による素早さ減少の恩恵を得ることもほぼありません。
以上の理由から、この型のオオニューラではフェイタルクローを確定技ではなく、選択肢の1つとしています。
この他にも、
- 隠密マントで無効化される
- 運に大きく左右される技である
なども理由の1つです。
差別化
オオニューラと同じく、特性が「かるわざ」のポケモンにはフワライドタギングルルチャブルがいます。
この中でルチャブルルチャブルはオオニューラと同じく格闘タイプであり、挑発・剣舞・アクロバットを覚え、種族値も似たような配分をしています。
それぞれのメリットは下記の通りです。
ルチャブルのメリット
- 広い技範囲
タイプ一致技のインファイト・アクロバットに加え、かみなりパンチ、アイアンヘッドを覚えます。
- アンコール習得
挑発剣舞だけでなく、アンコ剣舞としても使うことができます。
- 別特性「かたやぶり」の存在
ミミッキュミミッキュやヘイラッシャヘイラッシャが選出されにくくなります。
- 地面技無効
パーティーの地面無効枠としても機能します。
オオニューラのメリット
- 種族値が高い
ルチャブルH78-A92-B75-C74-D63-S118
オオニューラH80-A130-B60-C40-D80-S120
この種族値差はかなり大きいです。
特に攻撃の差が大きく、ルチャブルだと火力不足になりがちです。
- フェイタルクローの存在
隠密マント持ちのポケモンの選出を強要することができます。
持ち物
フォーク元の育成論ではグラスシードで確定となっています。
しかし、この育成論ではミストシードを除く全てのシード系のアイテムから選択とします。
似たような効果の持ち物ですが、どれを採用するかによって構築の軸が変わってくるため重要な選択です。
全てのアイテムに共通する利点としては
- フィールドを貼る特性のポケモン(バチンウニゴリランダーオリーヴァイエッサン♂イエッサン♀)を用意すれば、オオニューラの特性をほぼ100%発動させることができる
- 防御または特防を1段階上げるため、剣舞を積みやすくなる
が挙げられます。
ミストシードが候補から外れている理由は、現時点で特性「ミストメイカー」のポケモンがSVに存在しないためです。
エレキシード(エレキフィールド軸バチンウニ)
眠りの状態異常を防止することができます。
特性「クォークチャージ」の起動要員としても機能するため、未来パラドックスポケモンと相性が良いです。(逆に相手のクォークチャージを発動させてしまう可能性があることには注意)
また、バチンウニバチンウニは置き土産を覚えるため、オオニューラが剣舞を積むための起点を作ることができます。
グラスシード(グラスフィールド軸ゴリランダーオリーヴァ)
オオニューラの弱点である地面技「じしん」を等倍に抑えることができます。
ゴリランダーゴリランダーは他の起動要員と比べて単体性能が高く、裏選出(特にサイクル構築)にも組み込みやすいです。
オリーヴァオリーヴァはフルアタで対面性能を重視して育成することも可能な一方、両壁と置き土産を覚えるため起点作成+自主退場型としても使用することができます。
飛行の一貫ができやすいことには注意が必要です。
サイコシード(サイコフィールド軸イエッサン♂イエッサン♀)
素早さの早いオオニューラに撃たれがちな先制技を無効化することができます。
特にイエッサン♀イエッサン♀は起点作成と自主退場(両壁+癒しの願い)ができるため、オオニューラと相性が良いです。
どの持ち物にもメリットがあるため、他のポケモンとの兼ね合いや環境の変化に合わせて持ち物を選びましょう。
特性
かるわざ
素早さを上げ、全抜き性能を高めることができます。
どくしゅも強いですが、コンセプト上こちらで確定です。
性格・努力値
調整1 いじっぱり H142 A252 S116
フォーク元の育成論と同じ調整です。
H:あまり
A:特化
S:ブーストエナジー発動時の最速テツノツツミ抜き(かるわざ込み)
調整2 いじっぱり H132 A252 S124
H:あまり
A:特化
S:ブーストエナジー発動時の最速テツノツツミ抜き抜き(かるわざ込み)
調整1より僅かに素早さをあげています。
スカーフドラパルトドラパルトや加速発動時のクエスパトラクエスパトラがブーストエナジー発動時の最速テツノツツミ抜き調整をしていることがあるため、その上をとることができます。
技構成
ちょうはつ つるぎのまい 選択枠 選択枠
- 確定技
ちょうはつ
相手の補助技を封じることができます。
クレセリアコノヨザルの積み技、ウォッシュロトムドオーモロバレルの状態異常技を防ぐのに重宝する技です。
後述する「つるぎのまい」と組み合わせることで、耐久ポケモンを起点にすることができます。
つるぎのまい
自身の攻撃を高める技です。
オオニューラは耐久が低いため、剣舞を積む機会はあまりないと感じるかもしれません。
しかし、
・置き土産・壁を利用して積む
・シードで上がった耐久を利用して強引に積む
・挑発と組み合わせて耐久ポケモンを起点にする
・テラスタルで相手の攻撃を透かしてから起点にする
などの方法を使えば、オオニューラの耐久でも剣舞を積むチャンスがあります。
- 選択枠
インファイト
威力が高く、多くのポケモンに弱点をつけるタイプ一致技です。
優秀な技なので積極的に採用したいです。
使用後に耐久が下がってしまうため、先制技で倒されやすくなってしまいます。
フェイタルクロー
追加効果の強いタイプ一致技です。
技の通りは悪いですが、タイプ一致技なので火力はそこそこ出ます。
ダストシュート
威力の高いタイプ一致技です。
威力の高い毒技を採用したい場合はこっちにしましょう。
アクロバット
威力の高い飛行技です。
持ち物を消費するのがほぼ確定しているこの型とは相性が良いです。
インファイトと違い、使用後のデメリットもありません。
シャドークロー
通りの良いゴースト技です。
威力が低めである点には注意しましょう。
つじぎり
通りの良い悪技です。
シャドークローと同じく、威力が低めである点には注意しましょう。
テラバースト
テラスタイプ一致で撃てる威力80の技です。
非接触であることが良い点ですが、テラスタルをしなければ使い物にならないことがデメリットです。
その他、あなをほる・ほのおのパンチ・いわなだれ・シザークロス・つじぎり等も覚えますが、上記の技と比べて優先度が落ちるため割愛します。
テラスタル
ゴースト
カイリューカイリューの神速を無効化することができます。
攻撃面に関しても、格闘技との補完が非常に良いです。
ひこう
アクロバットの火力を上げることができます。
また、弱点の地面技を無効化できることも優秀なポイントです。
こおり
格闘技との補完が取れており、多くのポケモンに弱点を突くことができます。
防御面に関してはあまりシナジーがないです。
じめん
毒技+地面技の範囲補完が優れています。
防御面に関してはあまりシナジーがないです。
あく
悪技も意外と通りの良いタイプです。
4倍弱点のエスパー技を無効化することができます。
また、オーロンゲクレッフィタギングルの悪戯心先制補助技を無効化することができます。
おすすめの型
選択枠・候補テラスタルが多いため、いくつかおすすめの型を紹介します。
あくまで型候補であるため、最終的には自分が良いと思った技・テラスタルを採用するのがベストです。
型1 ゴースト格闘型
選択枠:テラバーストまたはシャドークロー インファイト
テラスタル:ゴースト
ゴースト+格闘の技範囲は非常に優秀で、ゾロアーク(ヒスイ)ヒスイゾロアーク系統以外の全てのポケモンに等倍以上で攻撃することができます。
また、ゴーストテラスタルをすることでカイリューの神速を無効化することができます。
ゴースト技の候補は威力高め・非接触のテラバーストか、急所率高め・非テラスタル時に撃てるシャドークローのいずれかです。
ゴーストテラスタルをするとミミッキュミミッキュのかげうちやパオジアンパオジアンのふいうちが抜群になってしまうため注意が必要です。
型2 毒地面型
選択枠:フェイタルクローまたはダストシュート テラバースト
テラスタル:じめん
環境にいるポケモンのうち、ランドロス(霊獣)アーマーガア以外には等倍で攻撃できます。
毒・格闘の技範囲と違い、毒タイプや毒テラスタルに強めです。
毒技の候補は追加効果あり・命中安定のフェイタルクローか、高威力のダストシュートのいずれかです。
インファイトがないため、全体的に火力不足なことがデメリットです。
立ち回り例
エース運用
1.フィールド展開要員でフィールドを展開
2.死にだしor後投げでオオニューラを場に出す
3.そこから全抜きを狙う
ほぼほぼこの立ち回りです。
オオニューラを手持ちに引っ込めると、かるわざの効果が切れてしまったり、持ち物で上がった防御・特防が元に戻ってしまったりと良いことがないので、基本的にオオニューラは瀕死になるまで場に残って戦い続けます。
ちょうはつを覚えているため相手の積みの起点にされることはほぼないです。
対受けループ
受けループのようなパーティーはかるわざを発動させなくても全てのポケモンの上を取れることがあります。
そのようなパーティーに対しては、フィールド展開要員を出さずオオニューラ単体で出すこともあります。
ダメージ計算
オオニューラは全て いじっぱり H142 A252 で計算しています。
- 与ダメ
インファイト
ウーラオス(いちげき)B4
128.0~152.0% 確定1
ヒードランH252B4
109.0~128.2% 確定1
ディンルーH252B4
70.9~84.7% 確定2
ディンルーHB特化
53.4~64.1% 確定2
ヌメルゴン(ヒスイ)H252B4
119.7~142.2% 確定1
ヌメルゴン(ヒスイ)HB特化
87.7~103.7% 乱数1(25.0%)
ガチグマH252B4
91.1~107.1% 乱数1(37.5%)
テラバースト(不一致テラスタル時・等倍で計算しています)
ハバタクカミB4
90.7%~108.4% 乱数1(50.0%)
ランドロス(霊獣)HB特化
29.5~35.7% 乱数3(34.2%)
サーフゴーHB特化
29.3~34.5% 乱数3(5.7%)
サンダーHB特化
30.4~36.5% 乱数3(54.6%)
クレセリアHB特化
22.4~26.8% 乱数4(32.4%)
コノヨザルH252B4
41.4~48.8% 確定3
コノヨザルHB特化
29.0~34.5% 乱数3(5.0%)
- 被ダメ
ハバタクカミC特化
ムーンフォース
63.0~75.1% 確定2
ウーラオス(いちげき)A特化パンチグローブ水テラスタル
すいりゅうれんだ
90.1~107.5% 乱数1(43.7%)
パオジアンA特化わざわいのつるぎ
ふいうち
36.4~42.7% 確定3
カイリューA特化鉢巻きノーマルテラスタル
しんそく
99.4~117.9% 乱数1(93.7%)
ミミッキュA特化命の珠
かげうち
34.1~40.4% 確定3
苦手なポケモン
- 先制技持ち(ウーラオス(いちげき)パオジアンカイリューミミッキュ等)
かるわざ発動時でも上から攻撃されてしまいます。
特にインファイトを採用している場合、使用後に耐久が下がっているため先制技のダメージが入りやすいです。
サイコフィールドを貼っている場合、無効化することができます。
- 打点がないポケモン(ゾロアーク(ヒスイ)ランドロス(霊獣)アーマーガア等)
攻撃技が2つしかないため、どうしても打点がないポケモンが出てきてしまいます。
そのようなポケモンが選出画面にいた場合、オオニューラは選出しないようにしましょう。
つるぎのまいを積んだとしても、てんねんやばけのかわで攻撃を耐えられてしまいます。
フェイタルクローを採用している場合はゴリ押しで突破できることもあります。
相性の良い味方
フィールド展開要員(バチンウニゴリランダーオリーヴァイエッサン♂イエッサン♀)の採用は必須です。
また、オオニューラが苦手とするポケモンへの対抗策は必ず用意しておきましょう。
苦手とするポケモンはオオニューラの型によって変わってきます。
そのため、それに伴い相性の良い味方も変わってきます。
構築例
サンプルパーティーを掲載します。
そこまで推敲していないパーティーですので参考程度でお願いします。
試しにオオニューラを使ってみたい方は是非使ってみてください。
少なくともレギュレーションDが開催している間は公開する予定です。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございます。
オオニューラで相手のパーティーを3タテできたときはとても爽快です。
皆さんも是非剣舞挑発オオニューラを使ってみてください。