(おことわり)
・ポケモン対戦界隈にて広く用いられている略語を使用します。
・性格補正をかけて努力値を252振ることを「特化」と表現します。
・ダメージ計算はパーセンテージで表記します。
ポケモン対戦復帰勢のメロンパンと申します。今回は私の推しポケモンである、ストライクの育成論を投稿します。本論は前アカウント削除に伴い再投稿しています。レギュレーションF環境での実際の使用感をもとに大幅に追記を行いました。
「飛行テラスタル+テクニシャン+ダブルウイング」というコンセプトの育成論は既に投稿されていますが、本論は進化の輝石による対面性能の確保を差別点としています。
とはいえ、飛行技の一貫を切る不意の鋼テラスタル、ストライクの上から弱点を突いてくるパオジアンやテツノツツミ、圧倒的な耐久性能で突破の難しいポリゴン2といった存在に、積み技を縛るアンコールの流行といった現環境の要素が、本論のストライクにとって強烈な逆風であることから「採用理由は愛」という側面も多分にあります。ただし、かけた愛に見合った破壊力を見せてくれると考えています。
ストライクについて―今まで跳ねなかった理由と、ようやく輝けるようになった理由
ストライクは初代から登場しているかまきりポケモンです。ハッサム、バサギリという進化系がいますが、合計種族値が全く同じ(500)であるうえに、第二タイプも異なっているため、ハッサムやバサギリとは上位互換、下位互換の関係ではなく、使用感の全く異なるポケモンとなっています。そのうえ、進化前ポケモンであることから、進化の輝石にも対応しています。
ポテンシャルは非常に高かったのですが、虫・飛行というメジャーな弱点を多数抱えた複合タイプと、鋼で簡単に止まってしまう技範囲と、タイプ一致の最大打点がテクニシャン補正込みの燕返しもしくは虫食いという足りない火力が足を引っ張り、対戦環境で大活躍とまではいきませんでした。
そんなストライクですが、第8世代から第9世代にかけて、大きく強化されました。
第一の強化ポイントはダブルウイングの習得です。この技はストライクにとって、喉から手が出るほど欲しかったタイプ一致の最大打点であり、テクニシャン補正が乗ることで威力60(タイプ一致で90)の2回攻撃となります。実質的に襷に強く反動もないブレイブバードです(命中90に目を瞑りつつ)。
第二の強化ポイントはインファイトの習得です。ストライクは一致技がいずれも鋼タイプに半減されてしまう一方で、ハッサムは役割破壊の馬鹿力で鋼に抗うことができていたのですが、LEGENDSアルセウスよりストライク系統はインファイトを習得できるようになりました。これによりストライクもある程度鋼タイプに抗えるようになり、エース運用する際に止まりにくくなりました。
そして、最後にして最大の強化ポイントはテラスタルの実装です。テラスタルによるタイプ一致火力強化はテクニシャンによる火力強化と共存するので、飛行テラスタルして放つダブルウイングの火力は一発あたり40×2.0×1.5=120という破格のものとなります。さらに、飛行テラスタルにより飛行単タイプとなることで、弱点が岩・電気・氷の2倍弱点のみとなり、進化の輝石を持たせた場合にはその耐久を活かしやすくなります。
このことから、第9世代のストライクは、弱点多数と技範囲不足と火力不足を克服し、ある程度の活躍ができるのではないかと考えられます。
コンセプトと役割
積みエースとしての運用です。
進化の輝石を持たせて耐久を確保し、その耐久を盾に剣の舞や草分けを積み、飛行テラスタルダブルウイングの火力を押し付けます。理想は壁展開から剣の舞と草分けの両方を積むことですが、壁展開がなくとも、等倍火力は確定3発に抑えられる程度の耐久があるため、草分けを絡めてある程度の対面性能を確保できています。
持ち物
しんかのきせき
本論ではこのアイテムを持たせることを前提に耐久調整を施しているため、コンセプト上確定となります。パーティー内でも競合しにくいアイテムです。
特性
テクニシャン
こちらもコンセプト上確定となります。テクニシャンのおかげでダブルウイングを世界一上手に撃てます。
性格・努力値と調整
カッコ外が実数値、カッコ内が努力値です。
いじっぱり
175(236)-147(28)-116(124)-x-103(20)-138(100)
H:
16n-1
A:
A+2飛行テラスダブルウイングで、H4振りカイリューをマルスケ貫通 104.2~124.0%
HB:
無補正A252振りカイリューの鉢巻きノーマルテラスしんそく 41.8~49.8%
無補正A252振りウーラオス(れんげき)のすいりゅうれんだ 41.2~48.0%
D:
余り
S:
S+1で最速136族(テツノツツミ等)抜き。準速カイリューも抜けています。ただしテツノツツミもハバタクカミもブーストエナジーを持っています。
技構成
ダブルウイング/くさわけ/つるぎのまい/選択
- ダブルウイング
テクニシャンストライクにとっての最高火力です。本論の配分では飛行テラスダブルウイングの火力指数は35280となります。命中90とゴツメには要注意です。
(2回命中。通常時/飛行テラスタル)
H振りカイリュー(マルチスケイル考慮) 38.4 ~ 46.8%/52.1 ~ 62.9%
H4振りハバタクカミ 102.3 ~ 120.7%/137.5 ~ 161.9%
H4振りサーフゴー 25.8 ~ 32.0%/35.5 ~ 43.0%
耐久無振りオーガポン(かまど) 126.5 ~ 149.7%/170.4 ~ 201.3%
耐久無振りオーガポン(いしずえ) 63.3 ~ 74.9%/85.2 ~ 100.7%
B4振りウーラオス(れんげき) 96.0 ~ 116.6%/128.0 ~ 155.5%
B4振りパオジアン 65.9 ~ 77.5%/87.8 ~ 103.3%
H252振りガチグマ(アカツキ) 32.8 ~ 39.1%/43.7 ~ 52.8%
H252振りハッサム 47.5 ~ 57.7%/63.3 ~ 76.9%
H244,B12振りポリゴン2(輝石考慮) 32.5 ~ 38.8%/44.0 ~ 52.4%
H4振りランドロス(霊獣)(威嚇考慮) 37.6 ~ 44.9%/51.0 ~ 60.7%
- くさわけ
Sを1段階上昇させる攻撃技です。テクニシャン補正が乗るおかげで、襷潰しに止まらない程度には火力が出ます。
B4振りウーラオス(れんげき) 40.0 ~ 48.0%
H252振りアシレーヌ 48.2 ~ 56.7%
H252振りガチグマ(アカツキ) 27.3 ~ 32.8%
- つるぎのまい
一度舞うことができれば飛行テラスダブルウイングで十分な火力を確保できるため、耐久に厚く振っています。
- (選択技)とんぼがえり
サイクル型のストライクには採用されることの多い技です。本論ではストライクでの全抜きを想定しているので選択技としましたが、思うように展開できなかった際に耐久を活かしサイクルパーツとして扱ったり、飛行技を半減する物理受けと対面した際に起点となることを回避したり等柔軟に動くことができ、インファイトよりは使用感が良かったです。選択技の中では限りなく確定技に近いです。
タイプ一致虫技なのでパオジアンに抜群で入るのも偉いポイントです。
B4振りパオジアン 74.9 ~ 89.1%
耐久無振りラティオス 74.9 ~ 90.4%
H244,B12ジャローダ 56.4 ~ 66.3%
- (選択技)インファイト
飛行技との範囲補完が優秀なのですが、等倍飛行テラステクニシャンダブルウイングの火力≒抜群インファイトの火力なので、必ずしも必須というわけではないです。耐久が下がるのも痛手です。ただしヒードラン等、インファイトのほうが刺さる相手もいないわけではないので、あったらあったで助かる技ではあります。
H252振りガチグマ(アカツキ) 43.7 ~ 51.9%
H244,B12振りポリゴン2 41.9 ~ 50.3%
H244,B12ヒードラン 52.8 ~ 63.0%
- (選択技)とびかかる
威力も追加効果(確定でA↓)も非常に優秀です。思うように展開できなかった際に物理アタッカーに負担をかけられますし、自身の耐久の疑似的な増強にもなります。パオジアン等へかかる負担もとんぼがえりより大きいです。
B4振りパオジアン 86.5 ~ 102.0%
耐久無振りラティオス 86.5 ~ 102.0%
H244,B12ジャローダ 64.1 ~ 76.3%
- (選択技)とびつく
こちらは相手のSを一段階下降させる技です。エース運用するには抜き性能の高まる草分けとの相性が良いですが、思うように展開できなかった際に後続を助ける一手になりえます。テクニシャンの補正が乗ります。
B4振りパオジアン 81.3 ~ 96.8%
テラスタル
ひこう
コンセプト上確定です。ダブルウイングの火力を大幅に上昇させつつ、弱点をカバーすることができます。やや「テラスタルありき」の運用になってしまう点には要注意です。
被ダメージ計算
ストライク側のテラスタルは考慮せずダメージ計算しています。
(物理)
無補正A252振りカイリューの鉢巻きノーマルテラスしんそく 41.8~49.8%
無補正A252振りウーラオス(れんげき)のすいりゅうれんだ 41.2~48.0%
無補正A252振りオーガポン(かまど)のツタこんぼう 76.6 ~ 92.6%
無補正A252振りパオジアンのつららおとし(わざわいのつるぎ考慮) 73.2 ~ 86.9%
A特化ハッサムのダブルウイング(テクニシャン考慮、2回命中) 61.8 ~ 73.2%
(特殊)
C特化ガチグマ(アカツキ)のブラッドムーン 60.6 ~ 72.0%
無補正C252振りハバタクカミのムーンフォース 37.8 ~ 44.6%
無補正C252振りラティオスのラスターパージ 36.6 ~ 43.5%
無補正C252振りイーユイのかえんほうしゃ(わざわいのたま考慮) 93.8 ~ 110.9%
立ち回り例
マスターボール級で80戦ほど回して立ち回りを少しずつ洗練させていき、ある程度結論を出しました。
- 理想的な展開
壁展開からつるぎのまいとくさわけの両方を積むことで全抜きを狙います。積み技を2度使う都合上、私はオーロラベールで壁張りターンを圧縮できるキュウコン(アローラ)と組み合わせて使用しています。決まれば気持ちよく全抜きできますが、キュウコン(アローラ)は上からの鋼技が苦手な都合上必ずしも毎度理想通りに積めるとは限りません…
- くさわけとつるぎのまいのどちらを優先するか?
しんかのきせきで、等倍火力は2耐えする程度の耐久を確保できているため、ある程度対面で積むこともできます。ただし、スムーズに壁展開ができなければ、つるぎのまいとくさわけの両方を積むのは難しいです。初手または2番手で出し、しんがりでスイープ可能な場合はつるぎのまいを積んで対面相手を落とすことを優先します。3番手で出す場合は自身がスイーパーとなるべく、くさわけを積むことを優先します。
- 耐久を活かしたクッションとしての運用
弱点多数ではありますが、地面・格闘・草(虫も)を半減以下で受けられるほか、前述の通り、等倍火力なら2耐えできる程度の耐久を確保できているため、クッション的に動かすこともできます。その際にはとんぼがえり、とびかかる、とびつくのいずれかを採用するのが良いです。ただし、本格的にクッション運用するとなると、とんぼ・とびかかる同時採用のようなそれに特化した技構成のほうが動かしやすいと思います。
苦手なポケモン
言わずもがなです。アーマーガアはてっぺきの、サーフゴーはわるだくみの積み起点となりかねません。とんぼがえりを採用していればある程度起点化を回避できます。
ただし、耐久無振りのサンダーやサーフゴーに関してはこちらがつるぎのまいを積めていればゴリ押せないこともないですが、それは特殊な例です。
こちらも言わずもがなです。踏んでしまうと体力を半分持っていかれてしまうので、先発のポケモンのちょうはつで撒かせない、もしくはこうそくスピンやキラースピンで除去する動きができるとベターです。ただし、ステルスロックを踏んでしまっても壁を貼れていたらなんとか仕事ができる場合もあります。
- あまえるを採用したハバタクカミ
ブーストエナジーでS上昇⇒上からあまえる連打という流れで後続の起点にされる場合があります。こちらもとんぼがえりである程度カバー可能です。
相性の良い味方・構築例
本論のストライクの耐久を活かしつつ、2種類の積み技を積むには、場に残るひかりのかべ、リフレクター、オーロラベールが好都合です。前述の通り、私はキュウコン(アローラ)を採用しており、オーロラベールで壁を張るターンを圧縮しつつ、アンコールで相手の攻撃技を縛り、アンコールや状態異常技を打たれるリスクを潰しつつストライクが壁下で安全に積めるように立ち回っています。
アローラキュウコン、ストライクと並べる場合には、技の通りの面でも、キュウコン(アローラ)の弱点の面でも、鋼タイプが重くなります。初手で鋼技を打たれそうな対面での安定した引き先であると同時に、上で挙げた苦手なポケモンのうちアーマーガアに対する回答の一つとなります。
ストライクの弱点である岩、電気、氷(飛行、炎)を等倍以下で受けられ、ある程度たてこもる⇒ボディプレスの起点にしていくことができます。サーフゴーやアーマーガアへの打点を搭載することもできます。
実際に使用している構築
キュウコン(アローラ)ウーラオス(いちげき)ブリジュラスストライクテツノドクガディンルー
レンタルチームIDは「KMJ1NN」です。
こちらは私が実際にマスターボール級で使用している構築です。きあいだめブリジュラスという謎の生物もいますが、キュウコン(アローラ)からの壁展開でエース(ストライク、ブリジュラス)を展開し、ウーラオス(れんげき)、テツノドクガ、ディンルーで詰めます。
初手でのステロ展開が予測される場合はウーラオス(れんげき)を先発させ挑発します。
あとがき
ステルスロックを踏まないように挑発要員を採用したり、テラスタルをストライクになるべく残すよう立ち回ったり等、ポテンシャルを最大限に生かすために介護じみた動きを強いられるところはありますが、ストライクファンとしてはようやくストライクをエースとして運用し、ストライクで無双していく立ち回りを現実的に行えるようになったことに感無量です。ずっとテラスタル環境が続いてほしいです。
環境にとても刺さっているかと聞かれると、そうでもない気もしますが、それでもかけた愛情に見合った破壊力を見せてくれる型だと思います。本論がストライクを運用したい方の参考になれば幸いです。
私なりに本気で考察して執筆した育成論なので、立ち回りや構築に関する質問、効率的な努力値配分や技候補のご提案等は特に歓迎しております。また、誤字、脱字、意味の通じない表現等がありましたらそっと教えてください。