はじめに
皆様はじめまして。今回育成論を初投稿させていただきます。不十分な点などあると思いますので、ご指導のほどよろしくお願い致します。
なお、当育成論では各能力値について以下の略称を用いさせていただきます。
→HP:H、こうげき:A 、ぼうぎょ: B、とくこう:C、とくぼう:D、すばやさ:S
コンセプトと役割
レギュレーションFになり、ダブルバトルの有名なコンボである『エルフーン』と『テラキオン』の通称「エルテラ」戦法が解禁されました。
「エルテラ」とは、先発で『エルフーン』と『テラキオン』を繰り出し、『エルフーン』の『ふくろだたき』(ひんしや状態異常でない手持ちの数だけ攻撃→先発なら基本的に4連続攻撃になる)で『テラキオン』の特性『せいぎのこころ』(技を受けるとA1段階UP)を4回発動させ、A4段階上昇(物理技の威力3倍)の『いわなだれ』やかくとう技で攻める戦法のことで、無対策の相手には滅法強い強力なものです。
ダブルバトル勢にとっては有名すぎるので対策されやすいものの、今作では「テラスタル」という新たなバトルシステムの登場によって耐性を変えることができるようになったので、成功率が過去作よりも増しています。
現対戦環境(当育成論投稿時点のポケモンHOME参照)では『テラキオン』のテラスタイプは(弱点のを威力半減に抑えられる)が最もメジャーですが、私がお勧めするのはタイプ。
理由はダブルバトルのメジャーな妨害技『ねこだまし』を無効化し、さらに持ち物を『じゃくてんほけん』にすることでAを+2段階、つまり特性と合わせてAを6段階(物理技の威力4倍)にまで強化できるからです。
コンボ成功によって4回攻撃相当のダメージを1ターン目からぶっ放すことで相手パーティーを半壊〜全壊させる……そんな最強の『テラキオン』について、以下でさらに細かく論じていきます。
持ち物
『じゃくてんほけん』
効果抜群の技を受けるとAC2段階アップ。
この育成論のコンセプトなので確定です。
特性
『せいぎのこころ』
現状『テラキオン』の特性はこれしかありません。
性格、努力値と調整
ようき H244 A4 B4 D4 S252
ようきS252振りについて
『テラキオン』は『ふくろだたき』を受けることが前提なので『きあいのタスキ』を持つことができず、上から高火力をぶつけられると動く前にやられてしまいやすいです。そのため、少しでも多くの相手に先制できるよう、性格補正(ようき)+基礎ポイント全振り(MAXの252)で最速にしています。
A4振りについて
まず、普通のエルテラ戦法はAが4段階(3倍)しか上昇しませんが、弱点保険採用の場合は6段階上昇(4倍)するので、A無振りでも実数値149×4=596となります。これはA無補正全振りの4段階上昇(実数値181×3=543)を上回る数値であり、火力は十分といえます。これならAに振ってさらに火力を上げるよりも、耐久に振った方が上から叩かれてもテラスタル込みで生き残ってコンボを成立させやすくなります。
ただし、後述する『ヘイラッシャ』(A252振りの残り耐久指数最大となるD252 H4振り前提)をA6段階UPの『せいなるつるぎ』によって確定一発で落とすために必要なA実数値150に乗せられるよう4だけ振っています。
H244 B4 D4振りについて
『テラキオン』は上から高火力で叩かれると何もできずにやられてしまうため、少しでもいろんな攻撃に耐えられるよう、A4 S252に振った余りの基礎ポイントは耐久調整ツールで算出した最も効率の良い振り分け方にしています。
技構成
〈確定枠その1〉
・『いわなだれ』
ダブルバトルでは全体攻撃。基本的にはA6段階UP(物理技威力4倍)状態でこの技を連打していきます。タイプ相性で無効化されないため、たとえ1/4の相手でも等倍相当の威力
となり、非常に強力です。
たまに外れるのが玉に瑕。あと『ワイドガード』で無効化されるので、覚えるポケモンには要注意です。
〈確定枠その2〉
・『せいなるつるぎ』
『インファイト』には威力で劣りますが、相手の能力変化を無視できる点が『ブリジュラス』(攻撃される度にB1段階上昇)、『ベトベトン(アローラ)』(『ちいさくなる』で回避率上昇+『ドーブル』の『ムラっけ』を引き継いでその他能力も上昇)などに強く、『インファイト』のBD1段階ダウンのようなデメリットもありません。
そして最大の採用理由は、相方の『エルフーン』の『なやみのタネ』(相手の特性を『ふみん』に上書き)と組み合わせることで本来苦手とする『ヘイラッシャ』(特性『てんねん』でこちらの能力変化を無視+『シャリタツ』と合体して全能力2段階UP)を倒せることにあります。
〈選択枠その1〉
・『まもる』
そのターンに受けるほとんどの技を無効化することができるダブルバトルでは必須級の防御技。相手の単体攻撃技を防ぐことに成功すれば、相手の行動を一手無駄にしたことになり、その分味方が動いて有利な状況を作り出すことができます(集中攻撃を防いだ場合は爆アドです)。
A6段階上昇もすると、相手にとって放置は破滅を意味し、一刻も早く処理したいという心理から優先的に狙われやすくなるため、効果的に使用することが可能です。
また、相手の『おいかぜ』『トリックルーム』のターンを凌ぐのにも使えます。
・『こらえる』(※コメント欄にてアドバイスをいただき追記)
そのターンにどれだけ攻撃を受けてもHP1で耐える防御技。『まもる』とは違ってHPの温存には向いていませんが、『せいぎのこころ』『じょうききかん』『くだけるよろい』など攻撃されること自体にメリットのあるポケモンにとっては『まもる』に代わる選択肢として採用圏内に入ります。
当育成論の『テラキオン』の場合、本来なら上からの集中攻撃で落とされそうな場面で強引に耐えつつ『ふくろだたき』も受けたり、コンボを阻止された際にも相手からの弱点技を耐えつつ『じゃくてんほけん』を発動させられたりと、メリットが大きいです。
〈選択枠その2〉
・『はやてがえし』
相手の先制技に対してのみ有効な先制技。タイプにテラスタルすると『ふいうち』で狙われやすくなるため、主な使い手である『ウーラオス(いちげき)』『ドドゲザン』『パオジアン』を返り討ちにすることができます。
あって助かる場面が多いので、個人的にはこちらをお勧めします。
・『でんこうせっか』
『はやてがえし』とは違って能動的に繰り出せる先制技です。タイプ不一致ですが、A6段階UPだとかなり強力で、さらに前のターンに『いわなだれ』を撃っていた場合『エルフーン』の『アンコール』と組み合わせれば一度限りですが『でんこうせっか』と同じ優先度+1で『いわなだれ』を撃つことができます。
・『テラバースト』
技が半減や無効化されてしまう『コノヨザル』『サーフゴー』への対策として。上記2つの先制技に比べると採用の優先度は低め。
テラスタル
コンセプトとして確定。
耐性がガラリと変わり、もともとの弱点である については等倍に、は無効にできます。
立ち回り例
『ふくろだたき』が4連撃になるよう『エルフーン』とともに先発で繰り出し、『エルフーン』から『テラキオン』に『ふくろだたき』、『テラキオン』はテラスタルをして『いわなだれ』or『せいなるつるぎ』で相手を攻撃します。
基本的には『いわなだれ』ですが、『トリックルーム』をしてきそうな『リキキリン』『ヤレユータン』など確実に一手で倒しておきたい相手がいる場合は『せいなるつるぎ』を選択します。
『エルフーン』には『おんみつマント』を持たせておき、『ねこだまし』がどちらに飛んできても1ターン目で確実にコンボを決めにいきます。
与ダメージ計算
A6段階UP『せいなるつるぎ』
→『ヘイラッシャ』(B補正なしH4振り)確定1発
100〜118.1%(226〜267)
→『リキキリン』(B補正ありHB252振り)確定1発
100.4〜118%(228〜268)
A上昇なし『せいなるつるぎ』
→『イーユイ』(B補正なし4振り)確定1発
116.9〜138.4%(152〜180)
Aは無補正でたったの4振りですが、コンボ失敗でも低耐久の抜群相手ならちゃんと倒せるくらいの最低限の火力はあります。
A上昇なし『いわなだれ』(ダブルバトル補正あり)
→『オーガポン(かまど)』(B補正なし4振り)確定2発
59.3〜70.9%(92〜110)
『このゆびとまれ』持ちはコンボを妨害してくる天敵なので、相手パーティーにいる場合はエルテラ以外の裏選出を余儀なくされますが、相手の指枠が炎オーガポンの場合は『いわなだれ』2発で倒せるため、『エルフーン』の『おいかぜ』と合わせてA上昇無しのまま強行突破を図ることができます(初手『このゆびとまれ』でその隣が S操作をしてこなかった場合は、『オーガポン(かまど)』に意味ある行動をとらせないまま倒せます)
※その他追加あった方がいいポケモン(主に環境でメジャーな相手)あればご意見お願いします
被ダメージ計算(テラスタル想定)
『ハバタクカミ』@こだわりメガネC補正なし252振り『ムーンフォース』
→確定2発:68.5〜81.2%(135〜160)
※投稿時は技名が『マジカルシャイン』になっていましたが誤りでした
『ウーラオス(れんげき)』A補正あり252振り『すいりゅうれんだ』
→確定2発:59.3〜70%(117〜138)
『ランドロス(化身)』ちからずく@いのちのたまC補正あり252振り『だいちのちから』
→確定2発:72〜85.2%(142〜168)
『ゴリランダー』A補正あり252振り『ウッドハンマー』
→確定2発:71.5〜85.7%(141〜169)
苦手なポケモン
『オーガポン(いど)』『イエッサン♀』など『このゆびとまれ』が使えるポケモン
→コンボが妨害されてしまうため
相性の良い味方・構築例
・『エルフーン』
コンセプト上、先発で同時に繰り出す味方はこのポケモン一択です。他にも『ふくろだたき』使いはいるものの、『なやみのタネ』(対『てんねん』に必須)や『おいかぜ』(本来すばやさで負ける相手に先手を取れる)なども覚えるため外せません。
・『イーユイ』
『イエッサン♀』に強い裏選出枠。隣にいることが多い『テツノカシラ』や『グレンアルマ』にも強く、『バークアウト』で2体まとめて大ダメージ&Cダウンを狙える。
・『ハバタクカミ』
『イーユイ』と相性が良く、エルテラ戦法で半壊した相手パーティーにトドメを刺すスイーパーとしても活躍が期待できる。
・『イエッサン♀』
『エルフーン』退場後、『サイコメイカー』と『このゆびとまれ』で『テラキオン』を守ってくれます。
さいごに
私はダブルバトルの味方アタック戦法が大好きで、これまでにも『セキタンザン』の『じょうききかん』&弱点保険コンボ(味方の水技でAC2段階・S6段階UP)や、弱点保険『ヘイラッシャ』への『クイックターン』→『シャリタツ』交代コンボ(A4段階・BCDS2段階UP)、『ケンタロス(パルデア水)』の『いかりのつぼ』&『ユキメノコ』の『こおりのいぶき』コンボ(A6段階UP)などを使ってきました。
そんな私がレギュレーションF開始にともない真っ先に着目したのがエルテラ戦法でした。
同じような人が多かったのか、新ルールが始まった直後は『テラキオン』のランクバトル(ダブル)使用率が20位台と人気だったものの、当育成論を書いている現時点では50位台に落ちており、より速くて強いポケモン(『ハバタクカミ』や『パオジアン』など)が幅を効かせる現環境における勝率の安定しなさが目立ってきています。
そこで、どうすればエルテラ戦法の勝率を安定させられるかを考え当育成論を導き出したわけですが、やはり勝てない相手には勝てません(特に『オーガポン(いど)』など)。
この『テラキオン』はエルテラ戦法における最強の型だと自負していますが、やはりランクバトルの真剣勝負で勝ち星を上げ続けるにはプレイングスキルや相性のいい裏選出枠の準備などが求められます。
★ここまでお読みいただき、ありがとうございました☆