はじめに
はじめましての方は初めまして、そうでない方はお久しぶりです。アカシタというものです。
いよいよポケモン第9世代・SV環境が始まりましたね。
今回はそんなSVの目玉システム「テラスタル」を生かしたアタッカーハッサムの考察をしていきたいと思います。
注意点
- 当育成論では【努力値】【種族値】【個体値】といった非公式の呼称を使用します。
- 各ステータスに対する表記を下記内容で使用します。
H:HP
A:こうげき
B:ぼうぎょ
C:とくこう
D:とくぼう
S:すばやさ
- 本育成論で扱うポケモンは特に断りがない限り、すべて理想個体となります。
- 努力値が252振られており、かつそこに上昇補正のかかる性格を持っている状態のことを「特化」と呼称します。
ご了承下さい。
ハッサムハッサムについて
(この項はハッサムの説明となっています。十分にハッサムについて理解しているという方は読み飛ばして下さい。)
ハッサムは第2世代で登場した、ストライクの進化系です。進化ポケモンでありながら進化前のストライクと種族値が変わらない(500)という珍しいポケモンでもあります。
- 攻撃面
ハッサムは130という高いA種族値とテクニシャン(威力が60以下の技の威力が1.5倍になる)」という特性により、非常に高い攻撃性能を持ったポケモンです。
とりわけテクニシャン×タイプ一致補正の乗るバレットパンチ(鋼・物理・威力40・優先度+1)は強力で、実質威力90を先制で撃つことができます。
- 防御面
はがね・むしという複合タイプは、半減以下が9個に対して弱点がほのお一つしかないため非常に優秀といえます。ただしその炎は4倍弱点なのですが
HBDの種族値もそれぞれH70B100D80と並以上にはあるため、Hに努力値を振るだけで火力に自信のあるアタッカーの一致技を受けるか4倍弱点である炎技を受けるかしない限りは攻撃を一撃耐えることができます。
こだわりハチマキについて
(この項はこだわりハチマキの説明となっています。十分にこだわりハチマキについて理解しているという方は読み飛ばして下さい。)
第3世代で登場した持ち物で、その効果は「最初に選択した技しか使用できなくなるが、物理攻撃が1.5倍になる(技の固定は一度手持ちに戻すと解除される)」というもの。
SVではストーリークリア後にテーブルシティにあるデリバードポーチで100,000円で購入できます。
威力1.5倍の強大な火力補正というメリットと技が固定されるという非常に大きいデメリットを併せ持つまさに諸刃の剣。
コンセプト
タイプ一致×テクニシャン×ハチマキによる火力補正にさらにはがねテラスタルを重ね、実質威力120という圧倒的な火力でバレットパンチを放つことが、今回のコンセプトです。
テラスタイプ一致ハチマキテクニシャンバレットパンチ(長い)の火力指数(攻撃or特攻実数値×技威力×タイプ一致補正×特性・道具・などの各種補正により求められる数値のこと。この値が高いほど、相手に与えるダメージが高い)は驚異の36,000。
近い数値として
陽気252こだいかっせいトドロクツキのドラゴンダイブが37,245。
陽気252ごりむちゅうヒヒダルマ(ガラル)のつらら落としが36,720。
陽気252オノノクスのげきりんが35,820。
陽気252いのちのたまドラパルトのドラゴンアローが33,540。
などが挙げられると言えば、これが先制技として飛んでくることの恐ろしさを分かっていただけるかと思います。並程度の耐久では半減でも確定2発をとれる火力は、相手に安易な受け出しを許しません。
また、相手のパーティにバレットパンチを受けられるようなポケモンがいる場合も、とんぼがえりを採用していることによりサイクル戦で有利に立ち回ることができるのが大きな強みです。
採用理由
- ハバタクカミサケブシッポテツノブジンミミッキュニンフィアオーロンゲなどのフェアリー対策。
- マスカーニャドラパルトイッカネズミなどの高速アタッカー対策。
- 耐性を生かしつつ着地しとんぼがえりで対面操作を行うサイクル要員。
持ち物
こだわりハチマキ
コンセプトのため確定です。
いのちのたまなどの火力上昇アイテムでは確定範囲が大きく変わってしまう役割対象がいるため妥協はできません。
また、きあいのタスキを持たせてつるぎのまいを採用することでより高い火力を目指す型もありますが、技スペースの差と、場に出た直後から高火力を実現できること、サイクル戦での役割の差があるため差別化できます。
特性
テクニシャン。
コンセプトのため確定です。コンセプトが多少違ってもハッサムの特性はこれ一択では?
性格・努力値と調整
調整案1
H252、A252、B4もしくはD4、性格いじっぱり
所謂HAぶっぱです。
攻撃性能を限界まで高めるために攻撃に全振りしました。
残りは、メインとなる2つの技は先制技のバレットパンチと交代を読んで選択するとんぼ返りであり、どちらも素早さ関係を重視しないものであるため素早さには降らずに耐久に回しています。
調整案2
H 252、A 252、B4もしくはD4、性格ゆうかん、S個体値0
上の案の最遅調整です。
素早さを下げることによりとんぼがえりを後攻で撃つことができる相手が増え、対面操作力が上がります。
しかし、S無振りオーロンゲにすばやさを抜かれてしまうため、いたずらごころオーロンゲにバレットパンチよりも先に行動される可能性が増加してしまいます。
技構成
確定技
バレットパンチ
威力40、命中100のはがね技。先制技。(優先度+1)
メインウェポン。コンセプトのため確定です。
とんぼがえり
威力70、命中100のむし技。攻撃後に交代する。
相手の交代を読んで打つことで、有利対面を作りつつ相手を削ることができる優秀な技。タイプ一致であるため威力はなかなか高い。
インファイト
威力120、命中100のかくとう技。攻撃後にBDが一段階下降する。
バレットパンチを半減してくる鋼タイプに対して打つ。
威力120でかなり高いようですが、実はバレットパンチもテクニシャン×テラスタイプ一致補正で威力120なのではがねが等倍以上で入る相手にはバレットパンチを打った方が良いです。
選択技
どろぼう
威力60、命中100のあく技。攻撃後に自分がもちものを持っておらず、相手がもちものを持っている場合相手の持ち物を奪う。
バレットパンチとインファイトを半減に抑える相手に打つサブウェポン。テクニシャンによる補正が乗るため実質威力は90です。
これを加えることにより、パルデアに存在するすべてのポケモンに等倍以上で攻撃できるようになります。特に理由がなければ4つ目の技はこれで良いと思います。
ねごと
変化技。自分が眠り状態のとき、ねごと以外の技をランダムに出す。
催眠・あくび対策に。
アイアンヘッド
威力80、命中100のはがね技。30%の確率で相手がひるむ。
本論のハッサムの最高打点。バレットパンチよりも20威力が高いですが、はがね技が通る相手ならバレットパンチで良く、通らない相手に対してはどろぼうなどのサブウェポンのほうが有用な場面が多いためあまりお勧めしません。
テラスタル
はがね
コンセプトのため確定です。
立ち回り例
味方トドロクツキVS相手ハバタクカミ
トドロクツキはハバタクカミのムーンフォースにより一撃で倒されます。ここにハッサムを出せば相手がムーンフォースを打ってきた場合それを耐えつつ、次のターン確実にバレットパンチでハバタクカミを倒す状況(=有利対面)を作り出すことができます。
その後は相手の控えにバレットパンチを受けられそうなポケモン(例:ヒートロトムウォッシュロトムドヒドイデヤドランなど)がいる場合は交代を読んでとんぼがえりを、いない場合はバレットパンチを選択します。
与ダメージ計算
- バレットパンチ
はがねテラスタルによる威力上昇を前提としています。
H4ハバタクカミハバタクカミ 276〜329% 確定1発
H4ミミッキュミミッキュ 207.6〜247.3% 確定1発
H252サケブシッポサケブシッポ 102.7〜122.5% 確定1発
H12B4テツノブジンテツノブジン 164.2〜193.3% 確定1発
HB特化オーロンゲオーロンゲ 104.9〜124.7% 確定1発
H252B4ニンフィアニンフィア 156.4〜186.1% 確定1発
H252セグレイブセグレイブ 109.9〜129.7% 確定1発
H4マスカーニャマスカーニャ 100.0〜118.4% 確定1発
B4イッカネズミイッカネズミ 100.6〜119.4 確定1発
B4キノガッサキノガッサ 100.7〜118.5% 確定1発
B4ドラパルトドラパルト 87.1〜154.6% 乱数1発(18.7%)ステロ込み高乱数1発(93.7%)
HB特化バンギラスバンギラス 75.3〜88.8% 確定2発(H252振りだけなら確定1発)
H4トドロクツキトドロクツキ 82.8〜98.3% 確定2発
B4テツノツツミテツノツツミ 77.8〜91.6% 確定2発
HB特化キョジオーンキョジオーン 65.7〜79.2% 確定2発
H4イーユイイーユイ 51.6〜61.8% 確定2発
HB特化ドオードオー 47.2〜55.6% 乱数2発(72.6%)
HB特化モロバレルモロバレル 46.1〜55.2% 乱数2発(62.1%)
HB特化カバルドンカバルドン 34.4〜40.9% 確定3発
H4イルカマンイルカマン(マイティ)33.3〜39.6% 乱数3発(99.9%)
B特化ディンルーディンルー 30.4〜36.5% 乱数3発(56.4%)
H252B4ドヒドイデドヒドイデ 24.8〜29.9% 乱数4発(99%)
H252 ヒートorウォッシュロトムヒートロトムウォッシュロトム 17.1〜20.3% 確定6発
- とんぼがえり
バレットパンチに対する受け出しで出てきそうななもののみ計算しています。
H4イーユイイーユイ 90.0〜107.6% 乱数1発 (43.75%)
H252ウォッシュロトムウォッシュロトム 59.2〜70.7% 確定2発
HB特化モロバレルモロバレル 39.8〜47.5% 確定3発
B特化ディンルーディンルー 53.0〜63.4% 確定2発
H252ヒートロトムヒートロトム 29.2%〜34.9% 乱数3発(16.52%)
HB特化ドヒドイデドヒドイデ 17.1〜20.3% 乱数5発(0.03%)
- インファイト
火力指数はバレットパンチと同じなので、バレットパンチの項目の数値を参照してください。
被ダメージ計算
はがねテラスタルを前提としています。
A252イッカネズミイッカネズミ ネズミざん 一発当たり5.0〜6.2%
特化252いのちのたまセグレイブセグレイブ きょけんとつげき 44.0〜53.1% 乱数2発(24.6%)
A252バンギラスバンギラス じしん 65.5〜77.9% 確定2発
特化こだいかっせいハバタクカミハバタクカミ シャドーボール 67.7〜80.2% 確定2発
特化いのちのたまサーフゴー シャドーボール 68.3〜80.2% 確定2発
C252いのちのたまドラパルトドラパルト かえんほうしゃ 76.2〜90.9% 確定2発
A252ハッサムハッサム インファイト 76.9〜91.5% 確定2発
特化クォークチャージテツノツツミテツノツツミ ハイドロポンプ 80.9〜94.9% 確定2発
A252ソウブレイズソウブレイズ むねんのつるぎ 85.9〜101.7% 乱数1発(6.25%)
一致等倍・不一致弱点程度なら相手が命の珠以上の火力上昇アイテムを持っていないかよほど素の種族値が高くない限り一撃程度は耐えられます。
苦手なポケモン
受け出しを許してしまいバレットパンチでこだわった状態で対面するとかなりの不利を背負ってしまうので、注意しましょう。
- タスキ持ち高火力ポケモン
パオジアンなどの気合のタスキを持つことがあり、なおかつ返しの一撃でこちらを倒してくるポケモンには対面で勝てません。
- 鈍足高火力高耐久アタッカー
テツノカイナテツノカイナイダイナキバイダイナキバなど相手には素の殴り合い能力の差で対面負けしてしまいます。
相性の良い味方
ステルスロックによる削りがあればタスキ持ちポケモンやドラパルトやテツノツツミなどのバレットパンチで倒せるかどうかが微妙なポケモンにより強く出ることができます。
ハッサムに飛んでくるほのお技を受けつつその相手ポケモンを倒せるようなポケモンと組めると安定します。
特にサザンドラトドロクツキは互いの4倍弱点を互いが半減に抑えるという非常に優れた相性補完を誇ります。
サザンドラは特性ふゆうによりテラスタル後ハッサムに抜群(テラスタル前でも等倍)で入るじめん技の一貫を切れること、ハッサム相手に出てきた物理受けに対して特殊打点を持てることが強力です。
トドロクツキは地面の一貫こそできるものの、A139からバレットパンチを半減するはがね・ほのお・でんき・みずタイプに一貫するじしんを打てることや、はねやすめによるサイクルの持久力向上やりゅうのまいによる突破力の高さが強みです。
最後に
本育成論を読んでいただきありがとうございました。
本論のハッサムはバレットパンチで先制して相手を圧倒していく痛快さと、とんぼがえりを使ったじりじりとした駆け引きというポケモンバトルの醍醐味が詰まったポケモンだと思います。皆さまも是非一度お使いになってみてください。