前書き
「わに」と申します。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他範囲の略称を用います
- ダメージ率はダメージ計算式をもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
論概要
グラスシードを持たせたゴリランダーです。
グラスシードのB上昇とグラスフィールドの回復効果によって、物理アタッカーに対する居座り性能、対面性能を高め、剣の舞の起点にして全抜きを狙うことが本論のコンセプトとなります。また、ゴリランダーゴリランダーミラーに強い点も大きな長所です。
グラスシード型の育成論はすでに投稿されていますが、調整・コンセプトが異なるため今回はフォークはせず投稿させていただきます。
ここが強いよゴリランダー
基本性能のお話です。
- グラスメイカー+グラススライダー
鎧の孤島で解禁された特性:グラスメイカーと新規習得したグラススライダーの相性が抜群で、グラスフィールド(以下GF)を展開している間は威力136(タイプ一致&フィールド補正)という破格の先制技をA125という高い数値から繰り出すことができます。
並みのアタッカーを余裕の2発で沈める火力が優先度+1で飛んでくるのですから、恐ろしい限りですね。
- 解禁されたキョダイマックス(以下巨DM)
これも鎧の孤島で解禁された新要素ですが、巨DM中は草技が全て威力160のキョダイコランダとなり、さらに特性無視の効果が付与されます。しかも草技なのでGFの補正も当然乗り、タイプ一致補正と合わせて威力312という超脳筋仕様。(意味ワカランダ)
また、「全ての草技」という点も大きなポイントで、グラススライダーが通常時は先制技、巨DM時は超高火力となるため、一つの技スペースで状況に応じた戦術を用いることができます。
- 剣の舞による崩しとスイープ性能
ここまでですでにおかしな火力を有していることがお分かりいただけたかと思いますが、それに加えて剣の舞まで習得するため、崩し性能、終盤のスイープ性能が非常に高いことが特徴です。一度積むことができればA+2キョダイコランダでHB特化輝石ポリゴン2までも一撃で粉砕することができるなど、安易な数値受けを成立させません。
(まさか、通りの悪い草技でここまでの仕事をこなせるポケモンが登場するとは…)
この高い崩し性能、スイープ性能を存分に生かしていきたいところです。
差別化・採用理由
草単タイプでありながら、ここまで高い崩し性能、スイープ性能を有したポケモンは過去にもほとんど存在せず(近い性能を有していたのはカプ・ブルルジャローダくらい)、現環境においてもゴリランダーに比肩する性能の草単ポケモンはいないので差別化は不要と判断しました。
「高い崩し性能とスイープ性能」「宿り木の種、粉技の一貫切り」「水・地・草耐性」「対雨・砂パ性能」「構築全体への地震耐性、および回復ソースの付与」が主な採用理由となります。
主な仮想敵はニョロトノキングドラカジリガメガマゲロゲヌオートリトドンウォッシュロトム連撃ウーラオス(れんげき)マリルリカバルドンドリュウズドサイドンバンギラスルガルガン(まひる)ルガルガン(たそがれ)ゴリランダー鉄壁の無いナットレイエルフーンパッチラゴンジバコイルミミッキュ等になります。
型解説
ここから今回の型を詳しく解説していきます。
- 持ち物
グラスシード
- 特性
グラスメイカー
- 性格
意地
- 個体値
C抜け5V想定
- 努力値
H92/A228/B12/D4/S172
- 実数値
H187/A191/B112/C-/D91/S127
- 持ち物について
コンセプトとなるグラスシードで確定です。
グラスシードはGFが展開されているときに場に出ると即時に消費してBランクが一段階上がる持ち物ですが、場に出ると同時にGFを展開できるゴリランダーとの相性が良いことは言うまでもなく、もともとの高水準なHB種族値と相まって物理アタッカーに対する居座り性能、対面性能が飛躍的に向上します。
これによって剣の舞を積む余裕を自ら生み出し、崩し・スイープ性能にさらに拍車を掛けることができます。これがグラスシード最大の利点であり、採用理由となります。
また、この持ち物の真価が発揮されるのがゴリランダーゴリランダーミラーです。道具を即時消費するため、厄介な叩き落すのダメージを抑えることができ、かつこちらはBが一段階上昇した状態で対面できるのでダメージレースを優位に運ぶことができます。採用率の高い同種との対面を制することは大きなアドバンテージとなるでしょう。
- 特性について
採用理由、持ち物とのシナジーからグラスメイカー以外あり得ません。
- 性格および調整意図
B+1でA177ギャラドスのダイジェット(130)耐え
B+1でA194拘り鉢巻ゴリランダーのウッドハンマー2耐え
C172ウォッシュロトムのハイドロポンプをGF回復込み3耐え
A+2キョダイコランダでH191B156輝石ポリゴン2確1
最速バンギラス+3
S+1で最速インテレオン+1
性格はAに上昇補正、必要のないCに下降補正がかかる意地っ張りで確定。アタッカーとして十全な火力を確保するためにも必須です。
今回は剣の舞からの展開を想定しているため、A特化は過剰であると判断し、少し削ってHB特化ポリゴン2を巨DM時に吹き飛ばせる火力に設定しました。
次にダイジェットを積んだ際に必要な最低限のSラインを確保し、最後に残った努力値を全て耐久に回したところ、偶然にも役割遂行に十分な耐久を確保できました。
【耐久指標】
注釈がない限り全てB+1状態かつ通常時のものです
物理耐久指数:20944(B+1:31416相当)
A177ギャラドスのダイジェット(130):84.1〜99.4%
A184命の珠エースバーンのキョダイカキュウ:140.2〜165.0%
A194拘り鉢巻ゴリランダーのGFウッドハンマー:41.2〜48.6%
A211拘り鉢巻ドサイドンの岩石砲:86.2〜101.5%
A194命の珠グソクムシャの出会い頭:83.5〜98.4%
特殊耐久指数:17017
C161命の珠キングドラの雨下ダイストリーム(140):72.4〜85.7%
C152命の珠ドラパルトのダイバーン(140):122.7〜144.9%
C172ウォッシュロトムのハイドロポンプ:31.2〜37.0%
C200アナライズジバコイルのラスターカノン:68.7〜81.4%
C141エルフーンのムーンフォース:44.9〜52.9%
グラスシードの補正も相まって物理方面はかなりの硬さを誇り、巨DMすればA特化命の珠エースバーンのキョダイカキュウですら余力を残して耐えてしまいます。
反面、特殊耐久はギリギリ及第点といった感じですね。
ここに記載していないものは恐れ入りますが各自計算をお願いします。
技構成
- 確定技
グラススライダー
通常時は先制技、巨DM時は超火力技として扱えるメインウエポン。
ゴリランダーの性能を大きく引き上げている技の一つなので確定です。
アクロバット
グラスシードと相性が良く、常に威力110命中100の安定した飛行技として機能し、相手のゴリランダーやエルフーンに対する遂行技となります。
ダイジェットの素にもなるため確定とします。(DMしても威力が変わらないのは詐欺)
剣の舞
今回のコンセプトの一つなので確定です。
グラスシードのおかげで積める対面が非常に多く、一度積めば全抜きも夢ではありません。
- 選択技
10万馬力
草技、飛行技との範囲補完が優秀で、GFの影響も受けないサブウエポン。
ドラミドロやウインディなどの苦手な相手にもよく刺さり、ダイアースの追加効果も非常に優秀です。ちなみにグラスシード、剣の舞、アクロバット(ダイジェット)と合わせることでABDS全ての能力値を上昇させることができます。
叩き落す
一貫性の鬼。どんな相手に対しても何かしら爪痕を残すことができます。
苦手なドラパルト等に対する打点になりますが、ダイアークとして使う機会があまりなく、追加効果も生かせない点が残念。
この他、ドラムアタック、ウッドハンマー、ドレインパンチ、挑発等他にも優秀な技が揃っていますが、論が煩雑になることを防ぐため、他の技については言及を控えます。何か質問等あればコメントにて受け付けますのでご了承ください。
【火力指標】
全て非DM時の相手を記載しています。
- キョダイコランダ(GF補正)
H171B99ギャラドス(威嚇込み):88.3〜104.0%
H215B187カバルドン:112.0〜132.0%
H191B156輝石ポリゴン2:50.2〜59.6%
- グラススライダー(GF補正)
H185B81ドリュウズ:65.9〜77.8%
H175B120連撃ウーラオス(れんげき):93.7〜110.8%
H201B150ヌオー:131.8〜155.2%
- 持ち物なしアクロバット(=ダイジェット)
H207B110ゴリランダー:70.5〜83.0%
H167B150エルフーン:64.0〜75.4%
H155B95エースバーン:54.1〜63.8%
- 10万馬力
H197B145ウインディ(威嚇込み):32.4〜38.5%
H172B110ドラミドロ:72.6〜86.0%
H172B189マタドガス(ガラル):43.0〜51.1%
- ダイアース
H165B110パッチラゴン:103.6〜122.4%
H177B183ジバコイル(B+2):59.3〜70.0%
H181B201ナットレイ:25.9〜30.9%
- 叩き落す(威力97)
H163B95ドラパルト:90.1〜106.7%
H172B211エアームド:19.7〜23.2%
H167B160ギルガルド(シールド):52.6〜62.2%
ここに記載していないものは恐れ入りますが各自計算をお願いします。
選出と立ち回り
草・飛行・地面の範囲の通りが良い構築に対して選出し、仮想敵に対して受け出す、もしくは死に出しから展開します。相手が疲弊する中〜終盤までなるべく温存し、有利対面から剣の舞を積んで巨DMで一気に崩す、あるいは+2先制グラススライダーで一掃するという立ち回りが基本になります。
一応サイクルに組み込むことも可能ですが、一度引くとグラスシードの効果が切れてしまうので、出来るだけ対面的に動かすことを意識しましょう。
アーマーガアエアームドリザードンファイアローヒートロトム等の浮いている鋼タイプ、炎タイプには手も足も出ないのでこれらがいたら選出しない方が吉です。
相性の良い味方
- ウォッシュロトムウォッシュロトム
ゴリランダーが苦手なポケモン全般に強く、相性補完が非常に優秀なポケモン。
相手のゴリランダーを呼び込む点でも相性良しです。
- ドヒドイデドヒドイデ
エースバーンやウインディと対面した際の比較的安定した引き先。
高い耐久にGFの回復効果が加わることで受けがより安定するようになります。
トーチカ、再生力で相手のDMターンを枯らすことにも長けています。
- ジュラルドンジュラルドン
独自の耐性を持ち、ギャラドストゲキッスやドラパルトに対して対面から打ち勝てる希少なポケモン。GFとの相性も抜群です。
- エースバーンエースバーン
もはやお馴染みとなった並び。(インテレオン<え?)
互いの攻撃範囲の補完がとても優れていて、両者をまとめて相手できるポケモンが非常に限られています。
などなど。
この他ステルスロックを撒けるポケモンワルビアルセキタンザンバンギラス等とも軒並み相性良しです。色々試していただければ幸いです。
あとがたり
さて、今回はグラスシードゴリランダーとなりましたがいかがだったでしょうか。
少し前にTwitter上で調整を呟いた際に予想以上の反応をいただけたので、今回育成論としてまとめてみた次第です。
型が広く認知され、以前よりも動かしづらくなった感が否めませんが、非常に高いスペックを持った型だと思うので、ぜひ育成してみてください。
本論が何かのお役に立つことを願っております。
最後までご覧いただきありがとうございました!