はじめに
シリーズ8ダブル環境で、初期現在環境トップとなっているガオガエンの育成論です。様々なパーティーで使える基本的な型となっています。
ガオガエンの型、特に努力値配分は多岐に渡るため、あくまで投稿者の一例として考えて、パーティーや環境の推移に合わせて調整して使ってください。
- 用語、略称については一般的なものを用います。
- 不明瞭な点はコメントを頂ければ対応します。
採用理由と役割
ステータスを下げてアタッカーの攻撃を防ぐこと、ねこだましで相手の動きを止めることが主な仕事です。
ガオガエンは、『いかく』と『すてゼリフ』の相性の良さや覚える技の優秀さから、ダブルバトルでとても高い評価を受けているポケモンです。特にシリーズ8ではザシアン(王)王ザシアンやバドレックス(はくば)白馬バドレックス、ネクロズマ(日食)日食ネクロズマなどの物理型禁止伝説への対策として非常に注目されています。また、バドレックス(こくば)黒馬バドレックスに有利で特性『いたずらごころ』のポケモンエルフーントルネロス(化身)から変化技を受けないあくタイプを持つ点もガオガエンの長所です。
持ち物
確定欄は『フィラのみ』、いわゆる混乱実としています。フィラである必然性はありませんが、C下降の性格なのでウイはダメです。
発動条件の緩い『オボンのみ』も良いですが、禁止伝説はとても強いため大きなダメージを受ける場面が多く、混乱実の条件は満たしやすいと考えこちらを優先しました。またオボンを持たせたいポケモンは他にも多いため、持ち物の競合を避ける意味でも混乱実のほうが良いでしょう。
実際、投稿時点でのポケモンホームのデータを見るとガオガエンの混乱実の採用率の合計はオボンの採用率を超えていました。
性格・努力値と調整
- 性格…いじっぱり
投稿時点ではしんちょうのほうが採用率が高いですが、この型では後述の理由からいじっぱりにしています。
- 努力値…H244A116B68D76S4
H…奇数、3n調整(実数値201)
混乱実の回復量が最大になる3n調整です。4n+1でもあるので、オボンを持たせる場合もこの調整で良いでしょう。
A…『フレアドライブ』でHB無振りザシアン(王)王ザシアン確定1発
王ザシアンは重要な仮想敵なので、これに必要なAを確保するために性格をいじっぱりにしました。性格補正の効率がいい実数値11nになっていますが、これは意図した調整ではありません。偶然です。
B…ようきA252ザシアン(王)王ザシアンの『インファイト』確定耐え
D…余り(『ダウンロード』対策)
この振り方にするとDがBより1多くなります。ポリゴン2ポリゴン2の採用率は依然として高いので、対策して損はないでしょう。ダブルバトルにおける『ダウンロード』は2匹のBとDをそれぞれ合計して計算するためBの高いポケモンと併用する場合には意味のない調整になりますが、Dに振ればそれだけバドレックス(こくば)黒馬バドレックスなどの特殊型に強くなります。
S…余り
Dに振って更に余る4はSに振ります。無振りの同族(60族)よりは早くなりますが、より強くガオガエンミラーやオーロンゲオーロンゲなどを意識するなら優先順位の低いDを減らしてSに多めに振ると良いでしょう。
C…無振り
努力値は振りません。『バークアウト』の与ダメージを考えて個体値はなるべく高いほうが良いですが、追加効果目当ての技なのでそこまで重視しません。
技構成
- 確定技
フレアドライブ
高威力の一致技です。王ザシアンを一撃で倒せますが、高耐久のポケモンには弱点を突いても耐えられることが多く、反動ダメージも大きいため使う際は注意が必要です。
ねこだまし
相手を怯ませる技です。ガオガエンの『ねこだまし』は有名な分読まれやすく、ダイマックスなどで対応されることも多いので相手の行動をうまく読んで使いましょう。サイコフィールド上では無効にされますが、相手が浮いていれば効きます。
すてゼリフ
相手のアタッカーの能力を下げつつ交代し、『いかく』や『ねこだまし』を再利用するための技です。特性で能力が下がらないソルガレオソルガレオなどに使うと交代できない点、逆にこちらの交代先がいなくても能力変化だけはできる点は忘れがちなので気を付けましょう。ちなみに『マジックミラー』のポケモンに使うとガオガエンの能力が下がって相手が交代します。
- 選択技
バークアウト
相手のCを下げる範囲攻撃ですが、威力も低く特殊技なのでダメージには期待できません。『いかく』が無意味な特殊型アタッカーを妨害するのに使います。命中95なのでたまに外れます。
DDラリアット
相手の能力変化を無視する一致物理技です。サポートとしては『バークアウト』のほうが便利ですが、まともな攻撃手段が『フレアドライブ』しかないと困る場面もあり、選択技としました。追加効果のおかげで相手の『ダイスチル』などに左右されずダメージを与えられますが、その分相手のB低下の恩恵も受けられません。
立ち回り例
先発に出して『ねこだまし』で相手の初動を止めたり、『すてゼリフ』と『いかく』の繰り返しで相手のアタッカーを機能停止させたりします。特に物理アタッカー相手ならダイマックスされてもしのぎ切れたりもします。『バークアウト』は特殊アタッカー対策ですが、相手が先に動いた場合最初の1回は能力の下がっていない相手から攻撃される点に注意です。
苦手なポケモン
最大の敵は特性『かちき』『まけんき』のポケモンボルトロス(化身)です。こちらがガオガエンを出すだけで相手の能力が上がり、『バークアウト』も使いづらくなります。『ねこだまし』を封じる『サイコメイカー』イエッサン♀も苦手です。
また、特殊技で弱点を突いてくるポケモンにもあまり強くありません。特に、採用率の高いカイオーガカイオーガはタイプ上不利なだけでなく雨で『フレアドライブ』の威力を下げられるため、対策は必須です。
相性の良い味方
だいたいどんな味方とも好相性で、いろいろなパーティーに採用できます。強いて言えば、『いかく』の影響を受けない特殊アタッカーの攻撃を自力で耐えられるような高い特殊耐久を持つポケモンとは特に高相性だと思います。逆に先発2匹でギミックが完成するようなパーティーには採用しづらいかもしれません。
また、先述の通りガオガエンが苦手とするカイオーガカイオーガに有利なポケモンレジエレキゴリランダーを併用すると良いでしょう。
おわりに
「シリーズ8ダブルで勝ちたい」「ガオガエンを使ってみたいけどどう育成したらいいかわからない」という人の力になれたら幸いです。