はじめに
たけのこの山と申します。初めての育成論投稿となりますがお手柔らかに。
この育成論はじゅうりょくという技に着目したものとなっています。じゅうりょく布教の一環として役立てられれば幸いです。
ダメージ計算にはトレーナー天国様のツールを使用させていただきました。
HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをHABCDSと略し、それぞれに振った努力値をH252などと表記します。ダイマックスをDMと表記します
じゅうりょくとは?
じゅうりょく熟練者の方は読み飛ばしていただいて大丈夫です。
こちらの動画のシリーズが非常にわかりやすく、参考になると思っています
じゅうりょくの主な効果は三つで、5ターンの間
- 命中率が5/3倍(とされている)に上昇する
- ひこうタイプ、特性ふゆうのポケモンが接地する
-そらをとぶ、とびひざげりなど一部の技が使えなくなる
となっています。
他にもアップリューの専用技Gのちからの威力が1.5倍になるという非常に地味オシャレな効果もありますが、実戦で実感できるのはこの三つだと考えて良いと思います。
さて、今作でじゅうりょくを扱え、なおかつ通常ルールでランクバトルで使える最終進化(とそれに準ずる)ポケモンは
ピクシープクリンハピナスラッキーヨノワールサマヨールギガイアスシンボラーナットレイイシヘンジン
のみとなっており、たくさんのポケモンが教え技で習得できたUSUM期よりとても少なくなっています。
- じゅうりょくを生かしたパーティとは
ある程度弱点を補完しあえる上記のじゅうりょく発動要員2体+残り4体で構成することが推奨されています。残り4体には地面アタッカー、特性はりきり持ち、命中不安技を多用するポケモンがじゅうりょくの限られたターンを生かすために採用しやすいです。
シーズン18(2021/5/19現在)ではサンダーやテッカグヤの使用率が高く、これらのポケモンに地面技で抜群をつけることは非常に有用性が高いと言えるため、地面アタッカー2体+じゅうりょくへの依存性が高くない補完枠2体、という構成が個人的に使いやすいと感じています。
採用理由
じゅうりょくを覚え、うたうによる奇襲もできるポケモンとして採用。この二つの技を両立できるポケモンとして他にプクリンハピナスラッキーがいますが、これらとはC種族値と技威力による火力の差を差別化点とします。
じゅうりょくを覚え、かつ催眠技を持つポケモンとして他にシンボラーがいますが、このポケモンはCS種族値共にピクシーを上回っているものの攻撃技の威力が低く、実質的な火力でピクシーの方が勝ること、シンボラーは現状じゅうりょく発動要員中最速であるためCS配分が基本であることなどを含め全くの別物であるため、差別化が容易です。
持ち物
- のどスプレー
ほぼ確定。じゅうりょく→うたうが決まれば相手を寝かしつつ攻撃に移行できます。パーティ内で持ち物被りが起こらないのも嬉しい点
- いのちのたま(選択)
後述するマジックガードと相性の良い持ち物。うたうを使えない盤面での火力が保証されます。ただパーティ内でこの持ち物の競争率は高く、持たせるならソーラービームやメテオビームを覚えたフルアタッカー型でダイマックス前提としたほうが奇襲性が高くなると考えます
特性
- てんねん
相手のランクを無視して戦えるのが強み。積みを無視し、次のターンに耐えてうたうを入れるのが理想ルート。
- マジックガード
上記の通りいのちのたまとの相性がいい他、のろいや天候などの定数ダメージをカットできるのも優秀な点。てんねんと両方使ってみた感触として、全抜きされるリスクを考えるとこの型においてはてんねんの方が使いやすいと考えました。ただ選択肢には充分入る強さを持っています。
性格・努力値と調整
ひかえめ 201(244)-*-98(36)-154(196)-111(4)-84(28)
この型の基本方針として
- 基本じゅうりょくを展開する
- 展開後に置き物にならない火力を確保する
を掲げています。じゅうりょくを展開するだけなら耐久にガッツリ振りこうこうのしっぽトリック、などの型の方が優秀です。が、初手ちょうはつなどにより機能停止するリスクが存在するため火力を伸ばすことは意義があります。
- Sライン(84)
S60族の周りにはポリゴン2ラプラスバンギラスなどを抜く意味が大きいため、最低限のSラインとして84を設定しました。
- 耐久ライン(201-98-111)
物理面はようきA252ドリュウズのアイアンヘッドを13/16で耐え、特殊面はおくびょうC252サンダーのいのちのたま140ダイジェットを確定耐え、といったラインです。
HPは一応ちきゅうなげ確定五発ライン。
基本的に物理は素で一致ダイマックス技を一発は耐えるがいのちのたまが絡むと怪しい、特殊はいのちのたま込みでも割と耐える、といったイメージです。
- Cライン(154)
11nできれい!のどスプレーによるC上昇に依存する面もありますがそこそこの火力が出せます
被ダメージ詳細
- 物理面
無補正A252DMエースバーンキョダイカキュウ:76.6~91.0%(いのちのたま持ちなら高乱数で瀕死)
補正有A252DMブリザポス130ダイアイス:80.6~95.5%(14/16で霰ダメ込みで耐え)
無補正A252ドリュウズアイアンヘッド:86.6~102.5%(瀕死率3/16)
無補正A252ウーラオス(れんげき)すいりゅうれんだ:62.6~73.1%(ハチマキ時瀕死率29.8%)
この通り、いのちのたまが絡まなければタイプ一致等倍DM技などは概ね耐えます。参考として、A実数値182のいのちのたまDM技を受けた時の瀕死率が28.1%です。大体の場合じゅうりょくは発動できる、と考えても良いと思います。
無補正A252ミミッキュじゃれつく:40.8~48.3%
無補正A252ウーラオス(いちげき)あんこくきょうだ:31.3~37.3%
概ねこのラインだと二回以上動ける、というラインです
- 特殊面
無補正C252サンダーいのちのたま140ダイジェット:82.1~97.0%
補正有りC252カプ・レヒレムーンフォース:38.8~46.3%
無補正C252カプ・コケコEF10まんボルト:43.8~52.2%(12.9%で二発で瀕死)
物理よりも耐久ラインが高く、二回以上動ける範囲が少し広めです。
技構成および与ダメージ
ムーンフォース、だいもんじ、じゅうりょく、うたうでほぼ確定。
以下通常ダメージ/C+1のダメージを記載します。全て非DM状態です
- ムーンフォース
必須技。威力も高くCダウンが狙えるため外す理由がないです。のどスプレーのC上昇を含めればかなりのポケモンを確定二発〜乱数二発の射程に入れることができます
H252ラプラス:30.4~35.9%/45.6~53.6%
H244オーロンゲ:86.6~102.5%/128.4~152.2%
H252砂嵐下バンギラス:44.4~53.1%/66.7~79.2%
H252カバルドン:41.9~49.3%/61.9~73.0%
H252カプ・レヒレ:31.1~37.3%
D4カプ・コケコ:60.0~71.0%
- だいもんじ
ムーンフォースと補完がとれ、威力も高くじゅうりょくで外さなくなるのも美味しい。テッカグヤやドリュウズに打ち込める機会は少ないものの、交代際にうたうを当てられれば突破の芽が出ます。
H252ナットレイ:103.9~123.8%
H252ブリザポス:48.3~57.0%/71.5~85.0%
H252テッカグヤ:52.2~62.1%/77.8~92.6%
D4ドリュウズ:80.0~95.1%/121.1~142.7%
ダイマックスする機会はほぼないですが、フェアリー&ほのおで最低限の技範囲があるため場合によってはダイマックスすることも視野に入れましょう。が、ダイマックスは後続の命中不安技持ちに切った方が出力が大きいです
- じゅうりょく
先の項で述べた、軸となる技。5ターンは短く、後続にターンを残せないこともありますが、じゅうりょく下でも居座って殲滅力のあるピクシーを目指すためのアタッカー気質&うたう&のどスプレー。
- うたう
マイナーな催眠技。その命中率を知っている方は少ないのではないでしょうか。
命中率は55%。じゅうりょく下で命中率は約91.6%になり、そこそこ信用できる値になります。現状使えないくさぶえとほぼ同じスペックで、音技であるが故にみがわりを貫通して眠らせることができます。
のどスプレーと組み合わせることで相手を眠らせて行動を制限しながらも火力を引き上げることができるのが嬉しいポイント。あと何よりも意表がつけます。
やばい時には素で当てましょう。55%の中に勝ち筋があるなら拾いにいくのが吉。
- かみなり(選択)
pq様のご指摘により追加。苦手な炎、鋼に対し等倍で通る他、カプ・レヒレやドヒドイデなどに対し打点を持てるようになります。ただ、ドヒドイデを相手したい場合は定数ダメージを考え特性マジックガードの方を推奨。地味に追加効果の30%麻痺が優秀です。非じゅうりょく下では命中70%のため注意。
H252カプ・レヒレ:48.6~57.6%
H252ドヒドイデ:49.7~59.9%/75.2~89.2%
立ち回り
基本初手に出し、じゅうりょくを展開します。初手に苦手なポケモンが来そうならば選出しないことをお勧めします
- 基本有利な相手
・ナットレイバンギラスラプラスオーロンゲなど
・鈍足ポケモン全般
ナットレイに関しては交代されない限りだいもんじで焼けます。この際味方にほのおタイプを入れておくことで、ピクシーにほのお技がないことを匂わせられるとgood。
バンギラスラプラスは上を取れればじゅうりょく→うたうから展開していく形。
オーロンゲはタイプ上有利で倒すこと自体は容易ですが、ソウルクラッシュを連打されると火力が下がり裏の起点にされかねないため、一度眠らせてから裏で倒す動きも視野に入れましょう。
- 倒されはしないが少し不利な相手
・カプ・レヒレなど推定ちょうはつ持ち
・ウォッシュロトムなど推定トリック持ち
・カバルドンラグラージなどあくび持ち
そもそもカプ・レヒレはミストフィールドでうたうによる眠りを妨害してくる以上、対面してしまったらヤケクソでムーンフォースを選択しましょう。
ウォッシュロトムなどちょうはつがなくトリックしてきそうな相手は構わずじゅうりょくで突っ込むのが安定します。されなかった場合のメリットが大きく、されたとしても裏で対処しやすくなります。自身の裏にチョッキ持ちの水地面タイプラグラージガマゲロゲなどがいるとじゅうりょくでこだわった際にとても低リスクで後出しできます。
カバルドンラグラージなどは初手にステルスロックならばじゅうりょく→うたうと入れますがあくびをされると少し厳しいです。時間稼ぎのつもりで居座るのが安定するか。
- 苦手
・自身より早い炎、鋼、毒タイプ(例:エースバーンヒードランなど)
初手に来そうだと感じたら選出を控えましょう。特にエースバーンなど物理高火力ATは苦手です。ただ、一発は耐える状況かつじゅうりょく発動さえすれば裏の味方で処理できる場合は突っ張ってじゅうりょくを展開するのは大いにありです。
例:補正ありC252ヒードランラスターカノン:83.5 ~ 98.5%
ギリギリ耐えてじゅうりょくを発動できます。初手で相手がステルスロックなどを選択してきた場合、有効打こそないものの相手をうたうで眠らせるなどの行動が可能になります。
- 困ったときは
・ドラパルトウーラオス(いちげき)など相性上有利な相手
・その他
†初手じゅうりょく†
もちろん後発がこれらのポケモンに重そうならムーンフォースを選択しましょう。でも基本は
†初手じゅうりょく†
意外と相手は引いてきます。基本初手はお互い場作りをすることが多く、思った以上にじゅうりょく→うたうが決まります(経験談)。型が多いピクシーだからこそ成せる技です。ちなみにシーズン18現在じゅうりょく、うたうともにピクシーが採用していることはごく稀です。
相性の良い味方
- じしんの一貫性が向上する高火力地面アタッカー
- 炎技に対して強い
- じゅうりょく発動要員としてピクシーと補完しあえる
- 一貫する草技に強い
- 命中不安技を持っていて普段使いにくいポケモン
†じゅうりょくの可能性は無限大です†
おわりに
拙い文章ではありますがご覧いただきありがとうございました。
じゅうりょくは最高です!