はじめに
- 性格に関する注意
確定欄の性格は頑張り屋であり、実数値も頑張り屋のものですが、実際にはひかえめミントにより補正を後天的に変化させることを前提とします。
本論の上の方にある「努力値配分」欄に小さく書かれている実数値は実際のものとは異なります。正しい実数値は論の下部にあります「各種データ」の項目を参照ください。
こんな訳の分からんことをやっている理由は下で詳しく説明します。
基本スペックストリンダー(ハイ)ストリンダー(ロー)
攻撃特攻高めで他は凡となんとも第三世代を思い起こさせるような微妙な種族値をしています。タイプは電気/毒の固有複合で、地面4倍弱点であるのが気になるポイント。
技に関しては、とにかく地面タイプへの打点がありません。電気と毒以外に使えそうな特殊技は精々爆音波程度。ドリュウズやナットレイなどには滅法弱いです。
先ほど述べたように地面4倍弱点で耐久も素早さも高いとは言えない為、電気タイプの癖に地震持ちギャラドスに負けてしまう点が弱いですね。
代わりにビジュアル・モーション・鳴き声などは全て最高得点ですが、悲しいことにそんなのは対戦でなんの役にも立ちません。
酷い言いようですが、ストリンダー(ハイ)にも強みがいくつかあります。
まず一点目はほっぺすりすりを覚えること。
これは攻撃技でありながら相手を確実に麻痺状態にするという器用な技でして、化けの皮を剥がしながら麻痺が入りますので、特に環境トップのミミッキュに対して非常に有効な技です。
気合の襷を潰しつつ麻痺を撒くことができる為、ミミッキュ以外にも例えばドラパルトゲンガーオノノクスなどの襷持ち中速〜高速ポケモンや、トゲキッスリザードンなどの素早さを上げつつ殴ってくるタイプのポケモンに対して広く効果的です。
なお、ほっぺすりすりを覚えるポケモンの中では、ストリンダー(ハイ)はブリムオンの次に合計種族値が高いです。というかなぜモルペコが覚えずにブリムオンが覚えるんだ…
二点目は専用技オーバードライブと専用特性パンクロック。
オーバードライブは電気タイプ/特殊/威力80/命中100/音技/追加効果なし、パンクロックは音を使った技の威力を1.3倍にしつつおまけで自分が受ける音技の火力を半減させるという効果です。これにより、実質威力104のオーバードライブを特攻種族値114から放てるわけです。ウォッシュロトムバルジーナアーマーガア等に対して大きな圧力となります。
型概要
というわけで、本論のストリンダー(ハイ)における型の軸は麻痺撒きです。但し、麻痺撒きだけならストリンダー(ハイ)である必要はありませんので、もちろん別の役割を二つ持たせます。
一つ目は、またかよと言われてしまいそうですが、ミミッキュドラパルトの対面突破です。
先ほどストリンダー(ハイ)が覚える特殊技は爆音波くらいだと申しました。嘘です。こいつには祟り目があります。これは相手が状態異常の時に威力が2倍になる技で、これをほっぺすりすりと組み合わせることによって、1ターン目に相手の化けの皮/気合の襷を潰す→2ターン目に威力130の祟り目を先行して当てて撃破する、という動きが可能になります。
二つ目は電気枠としての仕事です。すなわち、アーマーガアバルジーナトゲキッスドヒドイデなどの処理です。これはオーバードライブを撃っていれば達成できます。
唯一ギャラドスのみ先制地震を撃たれると負けますが、これを防ぐために持ち物ふうせんを採用し、ギャラドス対面での有利不利を逆転させました。風船の性質上、一撃受けてしまうと処理不可能となってしまいますが、電気タイプである為対面でダイジェットや竜の舞による積みを許さないだけでも少しは圧力になっているといえるでしょう。
また、再度になりますがウォッシュロトムを始めとする電気等倍相手への負荷掛けも担ってもらいます。
まとめますと、
が本論のストリンダー(ハイ)の役割です。
但し、一度のバトルで上記の役割を全てこなせるほどストリンダー(ハイ)は強くありません。選出の時点でこいつに何をやらせるかが重要になってきます。
参考までに、私は先発運用を主とし、相手がミミッキュドラパルトギャラドストゲキッスなどであればそのまま負担を与え、オノノクスなど有利か不利かはっきりしない連中であれば最低限麻痺撒きだけさせる…などと考えつつ運用しておりました。
相手にダイマックス(以下「DM」と略します)を切られてやられても、DM切らせて麻痺もさせたからいいだろう、とある程度割り切るのが大事です。
各種データ
HP/攻撃/防御/特攻/特防/素早さをそれぞれHABCDSと表記しています。
〇性 格:がんばりや/すなお/きまぐれ→ひかえめ
〇特 性:パンクロック
〇努力値:H252 B36 C108 D4 S108
〇実数値:H182 A106 B95 C162 D91 S109
〇持ち物:ふうせん
〇技構成:[オーバードライブ/ほっぺすりすり/たたりめ/@1]
- 性格について
意味が分からないと思うので解説いたします。但し、非常に細かい話ですので、初心者の方や面倒な方は読み飛ばしていただいて、「性格がんばりや/すなお/きまぐれのいずれかで厳選し、後からひかえめミントをもって補正を矯正するのがよい」とだけご理解ください。
また、ミントの使用が面倒だと思う方は、最初から控え目で厳選し、ローを使用していただいても運用に支障は出ません。
ストリンダーにはハイストリンダー(ハイ)・ローストリンダー(ロー)の二種類のフォルムがあり、性格によってフォルムが違います。
またフォルムによって覚える技も多少異なり、例えばハイフォルムは強力な自己強化技であるギアチェンジを習得しますが、ローフォルムは覚えません。
ただし、一度フォルムが決定された後にミントを使って性格補正を変えても、フォルムはそれによって変化しません。つまり、ハイ性格の個体にミントを使ってロー性格の補正にしても、フォルムはハイのままなのです。
先述の通りストリンダー(ハイ)はギアチェンジを覚える上、意地っ張りや陽気など物理に寄った性格がハイ性格に設定されています。
つまり見かけをストリンダー(ハイ)にしておけば、このストリンダー(ハイ)の性格補正が控え目のものであることへの警戒心を和らげると同時に、相手にギアチェンジ物理型を想定させることができ、挑発や黒い霧など能力上昇への対抗策を使わせられる可能性が残ります。本論のストリンダー(ハイ)にとっては挑発も黒い霧も全く無効果であるので、これらの技を相手に使わせることはアドバンテージでしかないわけです。
また、ポケモンには性格によって混乱する木の実があります。フィラの実などがそうです。上昇/下降の無いいわゆる無補正性格(頑張り屋/照れ屋/素直/真面目/気まぐれ)は、いずれの混乱木の実をトリックやすりかえ等で持たされても混乱することがありません。
ハイ性格であり同時に無補正性格でもある性格が頑張り屋/素直/気まぐれの三つである為、孵化の段階ではこれらの性格にしておいて、後天的に性格補正だけ矯正することが、(わずかでも勝利に執着するのであれば)理想の状態であるということになります。
どうせミントを使うのですから、使う前の性格にもメリットがあった方がいいでしょう。
- 個体値について
技の@1に物理攻撃技を採用するなら攻撃個体値31、そうでないならイカサマや混乱自傷のダメージや力を吸い取るの回復量を抑える為に攻撃個体値0が理想です。
実数値は攻撃個体値31の場合106、0の場合92となります。
確定欄は攻撃個体値31のものです。なお、ほっぺすりすりは物理技ですが、低威力ゆえ碌な負担にならないので、攻撃個体値とはあまり関連しないでしょう。
- 努力値について
素早さは麻痺状態かつ素早さ1段階上昇の最速トゲキッス抜きです。これにより、相手のトゲキッスが弱点保険を発動させようと無理やりDMで居座ってきた場合でも先行して削りを入れられます。最速ドラパルトにも麻痺させれば先手を取れます。ギャラドスまで抜きたいならさらに8ポイントの努力値をどこかから素早さに回す必要がありますが、ギャラドスはトゲキッスに比べると無理やり居座ってくることは少ないです。
特攻に多く振りたかったので、異常時祟り目で無振りミミッキュを化けの皮スリップ込み確定1発のラインを確保したうえで、気持ち少し伸ばしました。
余りを耐久に割き、物理耐久は陽気A252ドラパルトの拘り鉢巻ドラゴンアロー、特殊耐久は控え目C252サザンドラの竜星群を、それぞれ最高乱数を切って耐える程度としています。
運用の都合上、相手の攻撃を一発耐える必要がありますので、耐久にかなり多めに振っています。
サザンドラの攻撃を耐えたところで麻痺を撒く以外には何もできないですし、そもそも拘り眼鏡持ちにはやられてしまいますので、耐久ラインはあくまで参考程度にお願いします。
【12/04追記】
〇努力値:H252 B76 C68 D4 S108
〇実数値:H182 A106 B100 C157 D91 S109
こう振りますと、ギャラドスの1.2倍DM滝登り・陽気ミミッキュの剣舞珠シャドークロー・陽気ドラパルトの持ち物無しドラゴンアロー+不意打ちを確定耐えいたします。
火力を削ったことでウォッシュロトムへのダメージは落ちますが、ほっぺ+祟り目でミミッキュドラパルト確定という従来のラインは維持できております。
私は最近こちらの調整を使用していますので、代案として紹介させていただきました。
- 持ち物について
ギャラドス対面で残っていれば優位に立てる点に加え、地面タイプが相手でも一度だけ行動できる点を評価してふうせんです。
代替候補はウォッシュロトムトゲキッスに強くなれるとつげきチョッキやオーバードライブの火力補強となるじしゃく等ですが、いずれも未使用の為詳しい言及は控えます。
- 技の@1について
ほのおのパンチを強く推奨します。理由はオーバードライブを通しやすいギャラドスウォッシュロトムドヒドイデアーマーガアあたりの相方には頻繁にナットレイが採用されているからです。炎打点があれば、こういった受け気質の並びを単騎で破壊できる可能性が出てきます。
但しヌオーかトリトドンが入っていると一転して突破不可能となります。また、ナットレイがB振りで鈍いを採用しているとダメージが足りなくなってしまいます。
他の技候補としては、カバルドンへ通るどくどく、
一致オーバードライブより高火力なばくおんぱ、
一致技であり祟り目との相性も良好なヘドロウェーブ/ばくだん、
その他ボルトチェンジ/挑発/バークアウト/がむしゃら/アシッドボムなどです。
がむしゃらのみタマゴ技である点に注意してください。
各論
- vs.ミミッキュミミッキュ(意地っ張り/AS252/命の珠)
【ダメージ計算】
シャドークロー 47.2-55.4/乱数2(67.2%)
かげうち 26.3-31.8
DMシャドークロー 79.1-94.5
異常時たたりめ 97.7-116.0/乱数1(87.5%)
【立ち回り】
シャドークロー→影撃ちを耐えますので、基本ほっぺすりすり→祟り目で大丈夫です。DMを切られた場合のみ負けますが、麻痺に加えて化けの皮が無効化されていれば十分でしょう。
- vs.ドラパルトドラパルト(陽気/AS252/拘り鉢巻)
【ダメージ計算】
ドラゴンアロー 83.5-100.0/乱数1(0.4%)
異常時たたりめ 101.8-120.2
【立ち回り】
鉢巻ドラゴンアローが2発連続最高乱数、スカーフ持ち、DMを切られて祟り目を耐えられる、以上三パターンが対面負けの場合です。
但し、鉢巻パターン以外は少なくとも機能停止には追い込めているので十分でしょう。
対面からほっぺすりすり→祟り目で問題ないかと思われます。
- vs.ギャラドスギャラドス(陽気/AS252/命の珠)
【ダメージ計算】
たきのぼり 59.8-71.4
じしん 200.0-237.3
DMたきのぼり 97.2-115.9/乱数1(81.3%)
オーバードライブ 185.3-222.2
【立ち回り】
初手対面DMたきのぼりが負けパターンです。が、ストリンダー(ハイ)ごときにDMを切りたくなかったのか、はたまたストリンダー(ハイ)を倒せないと踏んだのかは知りませんが、そのパターンには未だ遭遇していません。
素早さ1段階上昇ギャラドスには麻痺込みでも先手を取られますので、処理する場合はほっぺすりすりを撃たずにいきなりオーバードライブでいいでしょう。
- vs.トゲキッストゲキッス(臆病/CS252)
【ダメージ計算】
エアスラッシュ 21.9-26.3/乱数4(8.1%)
だいもんじ 43.4-51.0/乱数2(5.9%)
サイコショック 60.4-71.4
オーバードライブ 89.3-107.5/乱数1(31.3%)
【立ち回り】
ほっぺすりすり→オーバードライブでいいでしょう。
但し、トゲキッスはほぼ間違いなくDM枠ですので、DMを切られることを想定して動いた方がよいかと思われます。
- その他計算
サザンドラ→ストリンダー(ハイ)(控え目/CS252)りゅうせいぐん 85.7-101.0/乱数1(6.3%)
ストリンダー(ハイ)→サザンドラオーバードライブ 25.7-30.5
ウォッシュロトム→ストリンダー(ハイ)(控え目/HC252)ハイドロポンプ 64.8-76.3
ストリンダー(ハイ)→ウォッシュロトムオーバードライブ 47.7-57.3/乱数2(87.1%)
ストリンダー(ハイ)→ドリュウズ(陽気/HB0)ほのおのパンチ 41.0-48.6
ストリンダー(ハイ)→ナットレイ(呑気/HB252)ほのおのパンチ 35.3-41.9
ストリンダー(ハイ)→サニーゴ(ガラル)(図太い/HB252)異常時たたりめ 53.8-63.4
ストリンダー(ハイ)→アーマーガア(腕白/HB252)オーバードライブ 88.7-106.3/乱数1(37.5%)
ストリンダー(ハイ)→バルジーナ(図太い/HB252)オーバードライブ 76.4-91.2
ストリンダー(ハイ)→ドヒドイデ(図太い/HB252)オーバードライブ 76.4-91.0
オノノクス→ストリンダー(ハイ)(陽気/AS252)げきりん 78.0-92.3
相性のいい味方
- ギャラドスギャラドス
ドリュウズカバルドンはもちろん、大文字搭載でナットレイにも強い相性最高の補完枠です。中速帯ゆえ麻痺サポートも活かしやすく、ストリンダー(ハイ)がDMを必要としないので心置きなくDMを切ることができます。
- ウインディウインディ
ストリンダー(ハイ)ギャラドスの二者ではナットレイゴリランダーに薄いので、そこを埋める炎枠の一例です。インファイトを持てばバンギラスに高負荷をかけられます。
- ドリュウズドリュウズ@スカーフ
ストリンダー(ハイ)vsドリュウズとなった際の交代先です。相手はアイアンヘッドで風船を割りに来るので、そこへスカーフドリュウズを後投げして地震でしばき、ストリンダー(ハイ)を通しに行きます。
相手が気合の襷ドリュウズでこちらのドリュウズが返り討ちにされたとしても、改めてストリンダー(ハイ)を出して炎のパンチでしばきます。
こういう運用をする時に困るので、ドリュウズ使いの皆様はストリンダーの風船を見逃さないでください。そして間違っても地震なんて撃たないでください。うちのドリュウズが死にます。
以上です。
19/12/02 調整を変更(初版からDを2下げてSを2上げた)
19/12/03 炎のパンチを準確定技に格上げし、相性のいい味方にドリュウズを追加
19/12/04 物理耐久を伸ばした調整を追加