はじめに
こんにちは。エグゾディアと申します。前回までの育成論でコメントを下さった方々、ありがとうございました。
今回は5回目の投稿となります。至らない点もあると思いますが、宜しくお願いいたします。
今回投稿するのは輝石持ちのイノムーになります。マイナーですが、非常に高いポテンシャルを持ったポケモンですので、使っていただけると嬉しいです。
略称についてですが、当育成論ではHP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをそれぞれHABCDSの略称で呼びます。ダメージ計算はトレーナー天国様のツールを用いて行い、理想個体を想定しています。
イノムーとは
第2世代で登場した、氷地面という固有タイプを持つポケモン。炎、水、草、格闘、鋼と多くの弱点を持っていますが、氷タイプが等倍の地面タイプという、水地面と同じように電気タイプに非常に強いタイプになっています。
進化後のマンムーより一回り種族値が下回っていますが、進化の輝石により耐久は非常に高いです。
採用理由
採用理由は、ごく一部のC振り一致水技、炎技を打つポケモン(例:ハイドロポンプ持ち珠ゲッコウガ、眼鏡水ロトム、メガリザードンYなど)との対面以外では確実にステルスロックを撒ける役割遂行能力になります。この辺りは後ほど詳しく説明します。
性格、努力値、個体値について
性格わんぱくの場合31-31-31-×-31-4~5
性格のんきの場合31-31-31-×-31-18~19
どちらも実数値207-120-110-×-81-57を理想とします。
Sは最遅ギルガルド-1です。努力値は単純にHB特化。このポケモンはタイプ相性でなく実数値で受けるポケモンで、行動回数をとにかく稼ぎたいので耐久に努力値を振り切りました。
この振り方で、物理耐久はHB特化クレセリアと同程度、特殊耐久はH252メガガルーラと同程度という相当高い耐久値を得られます。
Hを削ってDに耐久を回すことも検討しましたが、H252振りのみでも多くの特殊技を弱点突かれても1回は耐えてくれるのでこれで十分だと思われます。
持ち物について
進化の輝石で確定です。これを持たせないならばあらゆる意味でマンムーの劣化となってしまいます。
特性について
どんかんを推奨しますが、厚い脂肪も選択肢とします。
このポケモンは非常に挑発を誘いますが、進化後のマンムーの厚い脂肪のイメージがとても強く、どんかんをあまり読まれず、ステルスロックを確実に撒きつつ挑発をすかす、という事がよくあります。鬼火羽休めファイアローなどは挑発から入ってきますので、どんかんであれば確実に仕事が出来ます。
厚い脂肪を選択した際のメリットは、メガライボルト、メガリザードンX、フレアドライブ持ちファイアローなどに強くなることが挙げられます。
技構成について
ステルスロック、吠える、地震を確定とし、もう1つは選択といたします。
- ステルスロック
コンセプト的に確定。特性どんかんにより、イノムーを一撃で落とされない限りは確実に撒ける、というのはこのポケモンの大きなアイデンティティです。
- 吠える
このイノムーは弱点をつけない相手に対しては火力が全然ないため、相手の積み技の起点になるのを回避するために確定。
- 地震
イノムーの役割遂行技。浮いていない電気タイプに非常に強いタイプであるため、基本的に外す理由はありません。
陽気A252ガブリアスの地震の2/3程度のダメージを想像してください。
ここからは選択。
- 毒々
イノムーとエースアタッカーをセットで考えたときに、ステロダメージが入ったくらいではびくともしない超耐久ポケモン、例えばクレセリア、ポリゴン2などに後続へのサポートとして打つ技。
個人的には一番使いやすい技です。
- 雪なだれ、つらら落とし等氷技
電気、飛行複合のサンダー、ボルトロス、ガブリアス、ランドロス、ボーマンダなどを強く意識するなら。基本的には補助技を使われると威力が60にしかならない雪なだれよりはつらら落としの方が使いやすいですが、命中に信用ならない時には雪なだれでもいいでしょう。
- 地割れ
耐久のおかげで試行回数はかなり稼げます。ロトム、サザンドラなどの浮いている特殊アタッカーを結構呼ぶので、注意してください。ピクシーのような、身代わり持ちが少ない小さくなるポケモンに強くなれます。
ダメージ計算:与ダメージ
あまり火力に頼るポケモンではないため、最低限抜群をつける対象を中心に与えるダメージを書いておきます。
基本的に実数値表記で記述しております。与ダメージの-の前後の数字はHとBの実数値を表しています。
- 地震
197-95ライコウ
→ダメージ: 144〜170 割合: 73%〜86.2%
167-100メガゲンガー
→ダメージ: 134〜162 割合: 80.2%〜97%
155-100メガバシャーモ
→ダメージ: 134〜162 割合: 86.4%〜104.5%
167-70ギルガルド(ブレード)
→ダメージ: 194〜230 割合: 116.1%〜137.7%
181-120メガガルーラ
→ダメージ: 58〜69 割合: 32%〜38.1%
確定1にはなりませんが、弱点をつければいいダメージが入ります。メガガルーラくらいの物理耐久の持ち主にはこれくらいは入りますよ、という指標にしてください。基本的には積み技を持っていそうな相手にはステロを撒いた後吠えるをした方がいいでしょう。
- つらら落とし
183-116ガブリアス
→ダメージ: 204〜240 割合: 111.4%〜131.1%
197-150サンダー
→ダメージ: 78〜92 割合: 39.5%〜46.7%
171-150メガボーマンダ(威嚇込み)
→ダメージ: 100〜124 割合: 58.4%〜72.5%
ランドロス(霊獣)(威嚇込み)
→ダメージ: 144〜172 割合: 87.2%〜104.2%
雪なだれのダメージは書きませんが、つらら落としの約1.41倍ということで気になる方は自分で計算してください。サンダーは確定3ですので、毒々の方が有用でしょうか。
ダメージ計算:被ダメージ
基本的に実数値表記です。
こちらの数値はH207-B145-D81の進化の輝石持ちで計算しています。
特性はどんかんで計算していますので、炎技は弱点で計算しています。
- 対物理
A182ガブリアスの逆鱗
→ダメージ: 58〜69 割合: 28%〜33.3%
A216メガボーマンダの捨て身タックル
→ダメージ: 88〜105 割合: 42.5%〜50.7%
A200メガリザードンXのフレアドライブ
→ダメージ: 164〜194 割合: 79.2%〜93.7%
A189命の珠バシャーモの飛び膝蹴り
→ダメージ: 166〜198 割合: 80.1%〜95.6%
A200鉢巻ハッサムのテクニシャンバレットパンチ
→ダメージ: 96〜114 割合: 46.3%〜55%
A197メガルカリオのインファイト
→ダメージ: 164〜196 割合: 79.2%〜94.6%
基本的に物理は弱点を突かれても急所を突かれない限り確実に一撃耐えるすさまじい物理耐久です。物理の等倍技で最強クラス(大爆発などデメリットが大きい技は除く)と思われるA特化メガボーマンダの捨て身タックルでさえほぼ2発耐えてステルスロック→吠えるもしくは氷技までの行動が出来ます。
- 対特殊
C110スイクンの熱湯
→ダメージ: 84〜102 割合: 40.5%〜49.2%
C125水ロトムのハイドロポンプ
→ダメージ: 132〜156 割合: 63.7%〜75.3%
C172水ロトムのハイドロポンプ
→ダメージ: 176〜210 割合: 85%〜101.4%
C187メガライボルトのオーバーヒート
→ダメージ: 152〜180 割合: 73.4%〜86.9%
C211メガリザードンYのソーラービーム
→ダメージ: 158〜188 割合: 76.3%〜90.8%
C211メガリザードンYの晴れオーバーヒート
→ダメージ: 384〜452 割合: 185.5%〜218.3%
(半減でも乱数1)
C155命の珠ゲッコウガのハイドロポンプ
→ダメージ: 211〜250 割合: 101.9%〜120.7%
C222ギルガルドのシャドーボール
→ダメージ: 84〜99 割合: 40.5%〜47.8%
C238メガサーナイトのハイパーボイス
→ダメージ: 130〜154 割合: 62.8%〜74.3%
C194サザンドラの眼鏡りゅうせいぐん
→ダメージ: 177〜208 割合: 85.5%〜100.4%
サブウェポンのオーバーヒートやソーラービームは耐えてしまいますね。C特化水ロトムあたりから怪しくなってきます。一撃で落とされるラインを覚えておきましょう。厚い脂肪の存在から、メガリザードンYはソーラービームを打つ場合の方が多いでしょうか。
他のステルスロック撒きポケモンとの差別化について
ここで、他のステルスロック撒きと比べた際のこのイノムーの長所、短所をまとめたいと思います。
比べる対象ですが、耐久振りオボンラグラージ、HB特化襷カバルドン、HD慎重オボンカバルドン、襷マンムー辺りを想定します。
- イノムーの長所
・挑発が効かない
→他のポケモンは挑発が効きますので、例えば相手の先発が鬼火羽休めファイアロー、化身ボルトロスみたいな時でも確実にステルスロックを撒けます。私の知る限り、挑発が効かない特性とステルスロックを両立出来るのはイノムーとその進化系統だけです。他のポケモンは代わりに岩石封じや波乗りなどを打つ程度のことは一応出来ますが、満足な仕事はなかなかさせてもらえません。
・比較的パーティ内で競合しない、しんかのきせきというアイテムを持つ点
→襷の枠を他のポケモンに渡せるので、例えばキノガッサ、ゲンガーみたいな襷を持ちたいポケモンを同じパーティに入れることができます。
・単純な耐久実数値の違い
→HB特化カバルドンよりも物理耐久が高く、HD慎重カバルドンよりはD耐久は少し低いですが、物理耐久はHD慎重カバルドンと比べると1.5倍くらいです。これにより弱点を突かれない場合の吠えるの試行回数が増え、ステルスロックダメージをより稼げます。
- イノムーの短所
・あくびを覚えない
→これが一番の短所でしょうか。あくびを覚えるポケモンはステロ→あくびと打つことによって眠りとステルスロックダメージの2択を迫ることが出来ますが、イノムーは眠らせることは出来ずステルスロックダメージを吠えるで稼ぐことしかできません。つまり、後続を積みの起点にするのは難しいです。
・弱点が多い
→カバルドンやラグラージと比べると鋼、格闘、炎など物理アタッカーにそこそこ多いタイプに弱点を突かれる点は短所です。しかし、まず一撃では落ちませんのでステルスロックを撒く仕事は果たしてくれます。
相性の良い抜きエース
基本的にステルスロックを撒いたら戦闘不能になるまで吠えるを打ち続ける動きになるので、抜きエースとの相性補完を考える必要はあまりありません。
このイノムーでは抜きエースが積む暇を作ってくれる、という訳ではないので、積まなくても瞬間火力の優れる鉢巻持ち、眼鏡持ち、珠両刀ポケモンなどをエースに据えるといいでしょう。
参考になるかは分かりませんが、自分のパーティでは竜舞を採用しないA特化両刀メガボーマンダ、命の珠バシャーモ辺りをエースとして採用しています。
動かし方
イノムーを一撃で処理できる高火力水、炎ポケモンがいない限りは選出してステルスロックを撒くことが可能です。
初手に繰り出してステルスロックを打ちましょう。相手の初手が地面弱点の時だけは地震をとりあえず打ってみて構いません。後続の地震無効のポケモンに交代されるでしょうが、相手の後続を確認するのもこのポケモンの大事な仕事です。ステルスロックを打った後は、瀕死になるまで吠える連打です。後続のエースの苦手なポケモンを引き当てたら毒々や地震で蓄積ダメージを加えておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?パーティのエースを決めて、ダメージ計算をしていたら「ステルスロックが入れば殆どのポケモンを倒せるんだけどなあ」みたいなポケモンはたくさんいると思います。そういったポケモンを使うときに、ステルスロックをほぼ確実に撒けるこのポケモンを思い出していただけたら嬉しいです。
誤字脱字、努力値のアドバイス、ダメージ計算の追加、などなどございましたらコメント欄の方までお願いいたします。
それでは当育成論を終わります。