はじめまして、わんたんと申します。
今回は愛用している、初手斥候役として優秀な捨て身コジョンドの育成論を投稿させていただきます。
初投稿で至らない点が多いかと思いますが、そういった点につきましてはコメントにてご指摘いただけると幸いです。
前提
- 指定がない限りお互いに6Vであるとします。
HP/攻撃/防御/特攻/特防/素早はH/A/B/C/D/Sという略称を用います。また、タイプのノーマル/電気/地面/格闘/エスパー/ゴースト/飛行/ドラゴン/フェアリーは無/電/地/格/超/霊/飛/竜/精という略称を用います。
- 努力値の後の±は性格補正を指します。
- 技名の前の↑↓はランク補正を指します。
コジョンドとは
典型的な高速・高火力・紙装甲の先発向けアタッカーです。
ガブリアスを抜ける絶妙なS、125という恵まれたA、特性も「みがわり」や「命の珠」と相性のいい「再生力」、メインウエポンである「とびひざげり」の火力が向上する「捨て身」と優秀であり、技も火力だけでなく便利な副次効果のある攻撃技も多数揃っており、攻撃しながら後続へのサポートもこなせる器用なポケモンです。
ただし防御面では紙もいいところですし、メインウエポンである「とびひざげり」は威力こそ凄まじいものの、リスクも極めて高く、癖はかなり強いといえるでしょう。
今回はそんなコジョンドの中でも、「捨て身」を採用して火力プレッシャーを高めた、先発斥候役に向いたコジョンドについての考察です。
採用理由
- メジャーなアタッカーであるメガガルーラ、ガブリアスを抜けるS及び対面で落とせる火力。
この型のコジョンドを採用する理由の筆頭です。
「ねこだまし」+「捨て身とびひざげり」で、対面から最メジャークラスのアタッカーを狩ることができるのは十分な採用理由です。
- ローリスクで相手のPT構成情報を引き出せる
初手から相手の選出ポケモンや持ち物構成が分かるというケースは稀です。なので当然最初は探りあいになるのですが、初手「ねこだまし」という安定度の高い行動があるのはかなりの強みです。
例えば相手の先発ガブリアスがコジョンドに対して交代してくれば3匹中2匹のポケが分かり、突っ張ってきた場合、まず疑うべきは「スカーフ持ち」である、といった感じですね。
- 有効な副次効果を持つ多彩な攻撃技。
「はたきおとす」「がんせきふうじ」「とんぼがえり」といった便利な副次効果のある技が多いのもコジョンドの長所です。ある程度の読みも必要ですが、交代先へもきっちり仕事をしてくれます。
持ち物
基本運用が「ねこだまし+α」であり、火力面の補強も必要となる為、命の珠で確定とします。
特性
「捨て身」で確定とします。
理由は、目的対象であるガブリアスを「ねこだまし+とびひざげり」で確実に落とす事(再生力だと高乱数)、また「再生力」持ちとは根本的な運用方法が異なる為です。
性格・特性
性格:陽気
努力値:H6/A252/S252
実数値:141-177-80-X-80-172
陽気AS極振り余りHです。
スカーフ以外のガブリアスを確実に抜く陽気S252、できる限り火力のプレッシャーを上げるA252、余りは元のHが実値140で珠ダメに影響がないためH振りとしました。
技
確定技
とびひざげり
メイン火力。等倍ならねこだましとセットで大抵の相手を討ち取れます。無論これを取らないなら捨て身にする意味がありません。レベル技。
ねこだまし
優秀な潰し技であり、とびひざげりとのセットでかなりのポケモンを狩ることができる為、必須とします。レベル技。
準確定技(よほどの理由がない限りこの4つで確定としてください)
はたきおとす
主に霊超への打点と、ゴツメや輝石、無限グライ等の「落とさないと負け」まであるアイテムを無効にできる優秀な技であり、この型では唯一の命中100。遺伝技。
がんせきふうじ
相性補完面が優秀なだけでなく、交代読みで自身より早いポケモンのSを落としたり、竜舞対策として重宝します。技マシン。
候補技
とんぼがえり
裏に強力な受けポケがいるなら一考の余地はありますが、特性で「捨て身」を採用している以上、結局自身の珠ダメージも累積されるのであまり有効とはいえません。
逆に「再生力」との相性は抜群なので、本育成論を元に「再生力」を採用したコジョンドを育成される場合、かなり有力な選択肢です。技マシン。
いわなだれ/ストーンエッジ
がんせきふうじより火力のある岩技。元々命中に難のあるコジョンドにこれ以上リスクを背負わせたくない事、Sを積むポケが止まらなくなる可能性があることから積極的な採用はオススメしません。技マシン。
基本運用方針
基本は先発起用で初手ねこだましから様子を見て、その後の行動を決めます。
- 相手に霊ポケがいないのであれば「初手ねこだましからとびひざげり」によるダメージプレッシャーを優先。
- 対面有利で裏に物理受けポケモンや霊ポケ、コジョンドより早いアタッカーを見ている場合は初手で「はたきおとす」「がんせきふうじ」も検討する。
- 自身より早いアタッカーや「いたずらごごろ」で状態異常を撒くような対面なら素直に引く。
- エース級が「とびひざげり」で落とせそうなのに居座ったらスカーフ警戒(交代するかしないかはPTと相談)。
- 一度引いたら紙装甲故に受けられず、状態異常も致命傷になるので、基本死に出し運用。
といった感じでしょうか。
前述の通り癖のあるポケモンですので、ある程度の慣れと読みは必要ですが、運用に慣れてくると、火力を軸としたサポート能力もあり、自身だけではなく後続へも有利な盤面を構築することが可能な「斥候」として便利なポケモンになります。
ダメージ計算および実践運用について
2014/3/19現在のPGL使用率上位ポケモン12匹について、与ダメ被ダメ計算及び実践での運方方針を記述します。
ダメージ計算としては少々冗長となってしまいますが、その点が気になる場合はコメントにてお伝えいただければ、と思います。
以降、コジョンドの技名は下記のように略して記載します
- 猫…ねこだまし
- 膝…とびひざげり
- 叩…はたきおとす
- 封…がんせきふうじ
HA252意地っ張りガルーラ(親子愛非考慮)
与ダメ:猫…13.6%〜16.5%
膝… 159.4%〜188.6%(確定一発)
被ダメ:ねこだまし…39%〜46.8%
不意打ち…23.4%〜27.6%
先発対面であれば、メガガル側の猫だましさえ潰しておけば、不意打ちを耐えて膝の一撃でメガガルーラを吹き飛ばせます。
当然そこは相手も分かっている事でしょうから、ガルーラ側からすれば交代の一手です。ただし、どこで引いてくるかまでは分からない為、こちらのPT構成と相手の交代先を考慮した上で、ねこだましから入るのか、こちらが引くのかを検討してください。
ちなみに、この育成論のコジョンドは、メガガルーラの「ねこだまし→ふいうち」をまともに受けた場合、ほぼ一方的に落とされます(親子愛を考慮した場合、全て最低乱数でも9割以上のダメージを受けてしまいます)。特にねこだましのダメージが痛いので、可能な限りねこだましを一方的に受ける展開だけは避けてください。
B4A252陽気スカーフガブリアス
与ダメ:猫…16.3%〜19.6%
膝…95.6%〜113.1%(猫膝で確定)
被ダメ:地震…91.4%〜108.5%
岩石封じ…18.4%〜21.9%
非スカーフのガブが突っ張ってきた場合は、猫膝で確定ですが、スカーフの場合、逆鱗・地震がくれば即死、交代読みの岩石封じなら打ち勝てます。
普通前者なので初手対面から突っ張られたら素直に逃げて機会をうかがったほうがいいでしょう。
HCa冷静保険ギルガルド(カッコ内は弱点保険未発同時のダメージ)
与ダメ:叩…60.4%〜71.8%(対シールドフォルム)
被ダメ:シャドーボール…177.3%〜209.2%(89.3%〜104.9%)
かげうち…68.7%〜81.5%(34.7%〜41.1%)
ダメージ計算は与ダメージは対シールドフォーム、被ダメージはブレードフォルムで計算しています。
持ち物が弱点保険ではない場合でも、シャドボ一発でほぼ落ち、打点となり得る技が叩き落すしかない相手です。
なので引けるなら引いておきたい相手ですが、メガガルーラのようにギルガルドに強いポケモンを後出しできるのであれば、叩き落とすでアイテムを潰す所までを仕事とするのも十分考えられます。
なお、ほぼありえない状況ですが、叩き落とすをブレードフォルムに打ち込んだ場合、持ち物があれば確1、なくても高乱数1となります。
HB意地っ張りゴツメファイアロー
与ダメ:猫…15.6%〜18.9%
膝…44.3%〜52.4%
岩…92.9%〜109.7%
被ダメ:ブレイブバード…133.3%〜158.8%
ファイアローはサンプルとして採用した、打点の低いアローですら確1ですので、どう頑張っても対面からは逃げるしかありません。
では逆に交代読みで岩石封じを当てた場合はどうなのか。H252程度のアタッカー型なら確1、HB振りでも乱1となる上、返しのアローの行動がブレバであれば、コジョンドのHPが39以上あれば反動で相討ち、それ以外の行動であれば岩石封じで打ち勝てます。
相打ち上等で突っ張るか、引いて後続で処理するかはPTと相談してください。
HA意地っ張り力持ちマリルリ
与ダメ:猫…17.3%〜20.7%
膝…48.7%〜57.9%
被ダメ:じゃれつく…201.4%〜238.2%
アクアジェット…45.3%〜53.9%(179.4%〜211.3%)
アクアジェットの横書きは腹太鼓後のダメージになります。
対面になったら、ねこだましを打って引いた方が無難です。というのも猫膝を叩き込んでも「じゃれつく」で落ちるのは勿論、下手をすると「オボン+腹太鼓」すら止められないからです。
しかし、裏に強力な先制持ち(ファイアローやメガガルーラ)やゴツメ受けがいるなら突っ張るのも一考の余地がありますので、そこはPT構成と相談ですね。
逆に飛び膝蹴りを受けに来た場合、飛び膝蹴りの不安定な命中率を鑑みても、中々の高確率(76.75%)で2発で落ちる為、オボンの発動有無を見て突っ張るのも一つの選択肢です。
HS臆病メガゲンガー
与ダメ:叩…68.2%〜80.8%(85.6%〜101.1%)
被ダメ:シャドーボール…70.2%〜82.9%
マジカルシャイン…93.6%〜110.6%
与ダメージにメガ時と非メガ時のダメージを双方記載しておきます。
対面の場合、滅びの歌も考えられ、「通常ゲンガー」(叩き落とすで数字上確1)であったとしても襷の可能性が高く、CS振りならこちらが落ちるので基本交代です。
なのでゲンガーへの役割は初手対面は逃げ、受けに来る可能性が高い場合は交代読み叩き落とすを使って引く、という形になります。
HB図太いゴツメクレセリア
与ダメ:猫…7%〜8.3%
膝…24.2%〜28.1%
叩…60.4%〜71.8%
被ダメ:サイコキネシス…80.8%〜95%
裏にいれば初手交代が濃厚なクレセリア。ゴツメ持ちが大半であることを考えても、対面からは事実上落とされます。
ですので対面相手やPTと相談して、初手交代読み叩き落とすで引いたほうがいいのか、あえてねこだましを打ってクレセを呼び込み、叩き落とすまでが仕事なのかを判断してください。
AS意地っ張りメガギャラドス※全ていかく込み
与ダメ:猫…11.1%〜13.4%(12.8%〜15.7%)
膝…104.6%〜124.5%(36.2%〜43.2%)
封…16.9%〜19.8%(38%〜45.6%)
被ダメ:たきのぼり…82.9%〜97.8%
じしん…68.7%〜81.5%
メガギャラドスについてはどのタイミングでメガシンカしてくるかの推測が難しい為、与ダメの後ろにギャラドスに対するダメージも併記しました。
ギャラドスの持ち物でメジャーなのはメガシンカかゴツメ(=耐久振り)ですので、ねこだましで大体の推測がつきます。前者は多少無理にでも突っ張って岩石封じで竜舞のS上昇を抑える役割を持たせるべきですが、後者についてはゴツメを叩き落とすのも怖い(電磁波をもらって機能不全となる可能性がある)ので、押し引きはPTと相談してください。
HC臆病スカーフ水/火/草ロトム
与ダメ:猫…16.8%〜20.6%
膝…101.9%〜119.7%
被ダメ:ボルトチェンジ:55.3%〜65.9%
オーバーヒート:102.1%〜121.2%
ハイドロポンプ:85.8%〜102.1%
リーフストーム:102.1%〜121.2%
ロトムには色々な型がありますが、基本Sが勝っており、他の持ち物ならほぼ無傷で倒せる為、、コジョンドに対してSで優位に立てるスカーフ型をサンプルとします。
ボルチェンで逃げるなら生き残りますが、相手が切り札を切ってきたり、状態異常で潰しに来る場合は、倒されたり機能停止になる恐れがありますが、後続でそういったものを受けきれない場合、突っ張る事になるかと思います。
とはいえ、型が多く調整されているケースの多いロトム、しかも初動で切り札は切りにくく、またスカーフ以外の持ち物ではHB特化クラスでないと猫膝で確定で落とせ、そのHB特化ですら低乱数で落とせますので、ロトム対面は強気に出てもいい場面です。
HA意地っ張り鉢巻テクニハッサム
与ダメ:猫…6.7%〜7.9%
膝…95.4%〜112.9%
被ダメ:バレットパンチ…90%〜107%
メガハッサムは基本倒せません(猫膝で落とせず、剣舞バレパンを貰えば落ちる)。猫膝打って引くか、猫だけで引くかはPTと相談ですね。
では「通常ハッサム」は、といえば、鉢巻バレパンは珠ダメ込みで即死、相手も珠ならこちらがギリギリ生き残る計算になります。
「通常ハッサム」の持ち物で最メジャーは鉢巻ですので、後続で受けられるなら素直に引いたほうがいいでしょう。
HC控えめメガフシギバナ
与ダメ:猫…13.3%〜16%(18.7%〜22.4%)
膝…37.4%〜44.3%(51.8%〜62%)
被ダメ:ギガドレイン…65.9%〜77.3%
ヘドロばくだん…78.7%〜93.6%
本育成論のコジョンドにとって、ファイアロー以上に対応が難しい相手です。メガギャラ同様、コジョンドに対しては先発・後出しどちらも来る可能性が高い為、与ダメージ計算は「メガ(通常)」の形で併記しておきます。
先発対面では猫膝打っても光合成でほぼ全回復されるので引く一手です。
ワンチャンスあるとすれば、「未シンカバナ」が膝を受けに来た場合のみで、それすら低乱数、逆に返しのギガドレが珠ダメ込みで高乱数となってしまうので、メガバナが手負いで打ち勝てそうな場合を除き、引くべきでしょう。
AS意地っ張りスカーフバンギラス
与ダメ:猫…4.8%〜5.7%
膝…354.5%〜419.3%
被ダメ:じしん…68%〜80.8%
ストーンエッジ…51%〜60.2%
バンギもコジョンドがSで優り、飛び膝蹴りでヨプ持ちでも一撃となる為、サンプルをスカーフとしました。ロトム同様グイグイ押して構いません。
バンギサイドから見ると、対面からコジョンドにまともな仕事ができる型は「スカーフ」「襷」「技「守る」持ち」のいずれかのみとなります。
幸いな事にいずれも採用率が低く、コジョンドにとって砂ダメージが馬鹿にならないので、猫を省いていきなり膝を飛ばすか、交代読みで技を繰り出す方がいいでしょう。
少々長い項目となりましたが、この12体に対する対処方法を基にすれば、非常に特殊な型(トリルやLV1頑丈等)を除けば大体の運用方針は提示できたかと思います。
(例:ボルトロス→ファイアロー同様。対面猫逃げ、交代読みなら岩石封じ)
相性のいい味方
自身が斥候型のスピードアタッカーなので、交代先となる受けポケや自身より強力な長所のあるフィニッシャーと好相性になります。
その中でも個人的に相性が特にいいと思っている2体を挙げておきます。
- ヒートロトム
苦手なファイアローを受けることができ、コジョンドが受けると致命傷になる電磁波・鬼火無効、ボルチェンによる再登場機会の作成、拘り系の初手に多い地震を空かせる、とかなりの好相性。ただし拘りスカーフと型破りがかなり重くなるのでPT全体で補完してください。
- ファイアロー
同じく苦手なバシャやメガフシギバナを見ることができ、ねこだましで削った相手に止めを刺すフィニッシャーにもなれます。
これは余談ですが、コジョンドとのセット運用を行う場合、バナからの受け先候補になることが多い為、「眠り粉」対策の「寝言」を入れておくと利便性が高まるかと思います。
最後に
いかがだったでしょうか。
先発斥候として相手の情報を引き出しつつ、ダメージプレッシャーと後続へのサポートが両立するコジョンドの魅力が伝われば幸いです。
内容に過不足がありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
2014/03/22 19:30
指摘項目の修正と与ダメ被ダメへの「HA意地っ張り力持ちマリルリ」を追加
2014/03/24 18:00
項目名及び一部技説明の変更と、「ダメージ計算および実践運用について」へファイアロー・メガフシギバナ・バンギラスを追加(2014/03/19当時のPGLシングル使用率上位12キャラ全てへの記述完了)
2014/04/08 16:30
「ダメージ計算および実践運用について」のギルガルドに対するダメージ計算・説明を修正。