わにと申します。よろしくお願いします。
以下の内容に必ず目を通してください。
- 指定のない限りすべてのポケモンは理想個体を想定します
- HP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをH、A、B、C、D、Sの略称で表記します
- その他わかる範囲の略称を用います
- ダメージ計算はトレーナー天国様のツールをもとに計算しています
- ご質問、ご指摘はコメントにて受け付けます
- 育成論に関係のないコメント、無益だと判断したコメントは予告なく削除します
それでは考察に移ります。
型概要
物理クッションとしての役割に特化したフォレトスです。
優秀な耐性と高いB種族値を生かして物理アタッカーに繰り出し、後攻ボルトチェンジによるダメージ蓄積と味方の無償降臨を狙います。
クッションって?
まずクッションという言葉の定義について自分の解釈を簡単に説明しておきます。
6世代以降の火力インフレ環境において「受け切る」という状態を成立させることが難しくなっています。そこで「受け」という言葉に代わって「クッション」という言葉が使われるようになりました。
つまり、特定の相手を後出しから単体で受け切る(1対1)という考え方(=受け思考)から、味方の引き先として機能しつつ、相手にダメージを蓄積して味方が処理しやすくなる状況を生み出す(2対1)という考え方(=クッション思考)に環境がシフトしているということです。
このことから『特定の相手に削りを入れ、味方がその相手を縛れる状態にした上で、味方を無償降臨させる能力があるポケモン』のことを本論におけるクッションの定義としたいと思います。
クッション役としてのフォレトス
では、上記の定義に基づいてフォレトスというポケモンを紐解いていきましょう。
優秀な耐性と高いB種族値
まず、弱点が炎のみという超優秀な耐性とエアームド並みのB種族値を持つことから、物理に対してはかなり優秀な引き先になれそうです。
具体的には、確定欄の調整でA156ミミッキュからの最大打点であるZシャドークローを37〜43.6%に抑え込み、クッションとしての役割を十分遂行できます。
また、メガ枠筆頭のメガメタグロスから物理技で弱点を突かれず崩されにくい点も非常に優秀です。
低いS種族値とボルトチェンジ
Sは40族とかなり遅い部類で、さらにボルトチェンジを習得できることから味方の無償降臨を演出できます。
ボルトチェンジは呼ぶ炎にも一貫し、サイクルにおいて後手に回りにくい点も見逃せません。加えてSに下降補正をかければカビゴンより遅くなるため、厄介な欠伸ループから抜け出すこともできます。
特性頑丈による最低限の行動保障
特性頑丈により、弱点の炎技等の受け切れない攻撃に対して行動保障を持てる点も強力で、メガリザードンXのフレアドライブに対して反動を稼ぎつつボルトチェンジで裏に繋ぐという芸当も可能です。
グライオンのハサミギロチンで簡単に処理されないのも地味に偉い。
まとめると、ミミッキュメガメタグロスをはじめとした物理アタッカーに対する安定した受け出しからボルトチェンジで有利なサイクルを展開でき、不利対面においても頑丈による居座りの選択肢を持てることがフォレトス独自の強みになりそうです。
以上のことを踏まえて仮想敵(後述)を絞りつつ、なるべく腐りにくい構成を目指して考察を進めていきたいと思います。
採用理由・差別化
- 採用理由
- 物理クッション
- 積みエースストッパー
- サイクルパーツ
- 爆発するほどの愛
主な仮想敵は、ミミッキュランドロス(霊獣)ガブリアスマンムーグライオンカミツルギキノガッサパルシェンメガメタグロスメガハッサムメガギャラドスメガラグラージメガガルーラあたり。
技構成や相手の型によって厳しい相手も含まれますが、これらが重い構築の補完および耐性を生かしたサイクルパーツとしての採用が主になります。(私は雨パに採用していました)
- 差別化
ジバコイル&ダイノーズジバコイルダイノーズ
優秀な耐性と特性頑丈を持ち、さらにボルトチェンジを覚えるポケモンたちですが、地闘耐性で差別化は容易です。
ハッサムハッサム
同じタイプで蜻蛉返りを覚えるポケモン。頑丈による行動保障とメガギャラドスをはじめとした物理水に対する性能で差別化します。
ナットレイナットレイ
役割対象が被っていますが、ボルトチェンジを炎タイプの後出しに合わせて使うことでサイクルを有利に進めることができる点で使い勝手が大きく異なります。また、頑丈による行動保障や闘耐性でも大きく差別化できます。
持ち物
- ゴツゴツメット
接触技に対して繰り出すだけでダメージを蓄積できる神アイテム。
相手の蜻蛉返りに対してアドバンテージを失わずに済み、クッションとしての役割に非常に合致しています。確定欄はこちら。
- フィラの実
居座り性能が向上するほか、剣舞ゴーストZ型ミミッキュ(A156ミミッキュのZシャドークロー(A+2):73.4〜86.7%)や炎のパンチ持ちメガガルーラ(A194メガガルーラの炎のパンチ:67.4〜79.5%+16.5〜19.8%)に対する役割が安定します。
また、不利対面になった際でも、頑丈で耐える→木の実発動→後攻ボルトチェンジという流れが可能になり、HPを半分残しつつ不利対面から逃げることができるため相性が良い持ち物です。
どちらかお好みで選択してください。
特性
- 頑丈(or防塵)
行動パターンに幅が生まれる頑丈で基本は確定です。
キノガッサに対して単体で隙を見せたくない場合は防塵を採用しましょう。
性格
呑気
必要数値を実現するためにB補正をかけます。
また、カビゴンの欠伸ループに対して後攻ボルトチェンジを決めるため、Sに下降補正がかかる呑気推奨です。
調整
- 個体値
HABCD31、S0を想定
※物理技非採用の場合はA0推奨
- 努力値
H244/B68/C196
- 実数値
H181/A110/B185/C105/D80/S40
- 調整意図
H:3n+1(フレアドライブ反動ダメージ最大)
HB:A207メガギャラドスの+1滝登り2耐え
C: H171D150メガギャラドスの身代わりをギガドレインで確定破壊
ここまでBを確保するとA216ランドロス(霊獣)の地震をステロ込みで2耐えすることができ、役割が安定します。Cラインをこれ以上下げるとメガギャラドスの身代わりに対する乱数が3つもズレてしまうので、個人的にはここが最低ライン。
フィラの実を採用する場合はHを1削り、BかCに回しましょう。
これをベースに各自調整してください。
耐久目安
物理耐久指数:33485
A207メガギャラドスのA+1滝登り:41.9〜49.7% 確3
A233メガメタグロスのアームハンマー:31.4〜37.5% 低乱4
A222メガラグラージの雨滝登り:45.3〜53.5% 低乱2
A233カミツルギのZ聖なる剣:45.8〜54.1% 低乱2
A216ランドロス(霊獣)の地震:37〜43.6% 確3
特殊耐久指数:14480
C222メガゲンガーのシャドーボール:83.4〜98.1% 確2
C232メガリザードンYの晴れオーバーヒート:704.4〜828.7% 灰
C200カプ・テテフのサイコキネシス:52.4〜61.8% 確2
C122カプ・レヒレの波乗り:43.6〜51.3% 低乱2
C155ゲッコウガの熱湯:49.1〜58% 高乱2
特殊耐久はペラペラですが、物理耐久はかなり優秀。
特にメガメタグロスのアームハンマーや雷パンチで崩されない点はナットレイやエアームドにはない長所です。
ここに記載していないものは各自計算してください。
技構成
- 確定技
ボルトチェンジ
この技がないとクッションフォレトスが始まりません。
ダメージを蓄積しつつ、味方の無償降臨を演出します。
地味に殻を破ったパルシェンへの遂行技になります。
H155D130メガメタグロス:14.1〜16.7% 確8
H125D65パルシェン(D−1):104〜123.2% 確1
H177D124テッカグヤ:26.5〜31.6% 確4
- 準確定技
目覚めるパワー氷
ランドロス(霊獣)ガブリアスグライオン等に対する遂行技。
火力は期待できませんが上記のボルトチェンジとの技範囲が非常に優秀です。
H183D105ガブリアス:51.9〜61.2% 確2
H179D139グライオン:39.6〜46.9% 確3
H135D51カミツルギ:34.8〜41.4% 確3
ギガドレイン
メガギャラドスの身代わりを確定で破壊し、マンムーやメガラグラージとの打ち合いに強くなる技です。
H171D150メガギャラドス:24.5〜29.2% 高乱4
H175D131メガラグラージ:54.2〜64% 確2
H185D80マンムー:41〜48.6% 確3
- 選択技
リフレクター
物理との打ち合いや相手の積み技に対するケアとして役立つ技です。
後続にも効果を残せる点が非常に優秀。
ステルスロック
流し際に撒いて以降のダメージレースを優位に運ぶための技。
流し性能もそれなりに高いポケモンなので使う機会は十分確保できます。
毒菱
こちらも流し際に撒く技。
構築次第ではこちらも非常に強力です。
毒毒
耐久ポケモンへの崩しを担う場合に。
大爆発
ダメージを蓄積しつつ味方を無償降臨させるという観点から考えれば破格の性能を持つ技。
H197B151メガボーマンダ:35〜41.6% 確3
H212B170カバルドン:29.2〜34.4% 低乱3
H145B95カプ・テテフ:75.1〜88.9% 確2
岩石封じ
呼ぶ炎(リザードンウルガモス等)に刺さり、S操作による味方の補助が可能な便利技。自身にはそれほど恩恵がありませんが、味方が上から縛る動きを助けてくれます。
H153B98メガリザードンY:68.6〜81% 確2
H191B98ウルガモス:54.9〜64.9% 確2
H151B94アーゴヨン:17.8〜21.1% 低乱5
- おまけ
カウンター
本論の主旨とは若干異なりますが、ゴリ押してくるアタッカーへの大幅な削りや引けない不利対面での強引な処理が可能になります。単純にフォレトス単体の突破力が向上します。
立ち回り
仮想敵に受け出してクッションとしての役割を遂行していきます。ゴツゴツメットやボルトチェンジでダメージを蓄積しつつ、上から縛れる味方に繋げます。
相手の裏に強力な炎ポケモンがいる可能性がある場合は積極的にボルトチェンジを使って不利対面を回避しつつサイクルを有利に進めましょう。
打ち勝てる相手には居座りながら攻撃技、ゴツゴツメット等を駆使して突破します。実際打ち勝てる相手はそこまで多くないですが、とにかく後続の攻撃圏内まで削ることが大切です。そういった意味でも組ませる味方がかなり重要になってきますね。
積んでくる物理アタッカーにはリフレクター→ボルトチェンジと動いて味方の負担を減らしつつ後続を展開します。
相性の良い味方
- カプ・コケコカプ・コケコ
フォレトスの役割対象である地面タイプを呼び込み、EFを展開することでフォレトスがキノガッサやカバルドンに対して非常に安定するようになります。地味にボルトチェンジの火力が上がるのもGood!皮が剥がれたミミッキュをワンパンできる電気Z型がオススメです。
- ペリッパーペリッパー
上述のカプ・コケコとも相性がよく、フォレトスが炎タイプと対面してしまった際の引き先となれるポケモン。受け出し性能が高いチョッキ型(育成論サンムーン/1505)がオススメ。
- アーゴヨンアーゴヨン
ミミッキュを呼び込みつつ蜻蛉返りができるポケモン。
ゴツメダメージ+ZヘドロウェーブでH振りミミッキュを、ゴツメダメージ+ボルトチェンジ+大文字でメガメタグロスをそれぞれ倒すことができます。
特性ビーストブーストとフォレトスの削りが相性抜群です。
基本的にフォレトスで削った後に一掃できる高速アタッカーと相性が良いです。
いろいろダメ計を回して相性の良い並びを見つけてください。
あとがたり
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。
今回はマイナーポケモン、フォレトスの育成論となりました。
個人的にかなり思い入れがあり、デザインも大好きなポケモンなのですが、調べれば調べるほど考察が進んでいないポケモンだと実感しました。(私は第七世代の考察記事を見つけることができませんでした泣)
本論を通して少しでもフォレトスに興味を持っていただければ幸いです。