はじめまして。ノサダと申します。
育成論を初投稿させて頂きます。不慣れゆえ、不手際などありましたらご指摘頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。
なお、「努力値」「個体値」「種族値」といった非公式用語、ならびに「HABCDS」などの略称を使用し、個体値は全て理想個体を前提とします。
ダメージ計算は「ポケソル」の「ダメージ計算SV」を使用します。
採用理由と役割
他の多くのモトトカゲ同様、先発で選出し上からしっぽきりを打って起点を作ることを主な役割としています。
あえて記すまでもないかもしれませんが、特性にさいせいりょくを採用することで、ステロなどのある盤面上でも複数回しっぽきりを行える可能性があることがこの場合での大きな強みとなります。
モトトカゲのS種族値は121と高く、最速にすることで(特にシーズン1環境では)かなり多くの相手にこの役割を果たすことが出来ますが、一方で一部、より速いSやいたずらごころなどのとくせい、高火力の先制技を持つポケモンと対面してしまい、それが許されないケースも存在します。
本論では、そのような場合において、相手が先制技などでそのまま居座ってきた場合にその多くを返り討ちにできるモトトカゲの型について論じます。
立ち回り例
少々イレギュラーな構成ですが、奇襲をサブの目的とする型であるため主な立ち回りとその根拠となるダメージ計算から記述します。
先発がモトトカゲとなった場合
- vs高火力の先制技を持たず、先制ちょうはつを持たず、モトトカゲよりもSの遅いポケモン
しっぽきりを選択して後続に繋ぎます。
特に初手で変化技を打ってこようとする相手に非常に有効に働きます。
- フェアリータイプにテラスタルし、テラバーストを選択します。
- 素耐えやタスキなどでまだ体力が残っている場合、でんこうせっかを選択します。
- vsハッサムハッサムなど
- オーバーヒートを選択します。
- タスキなどでまだ体力が残っている場合、でんこうせっかを選択します。
与ダメージ計算
- テラバーストフェアリー
ドラパルトドラパルト:H無振りなら確定1発、H252で瀕死率25%(88.3 ~ 104.2%)
オーロンゲオーロンゲ:HD252で確定2発(62.9 ~ 74.8%)
- オーバーヒート
ハッサムハッサム:HD252でも確定一発(137.9 ~ 164.5%)
被ダメージ計算
- 通常
A特化テクニシャンハッサムハッサム@ハチマキのバレットパンチ:確定耐え(81.7 ~ 96.6%)
- フェアリーテラスタル
A特化テクニシャンキノガッサキノガッサ@ハチマキのマッハパンチ:確定3発(40.9 ~ 48.3%)
A252無補正アイテムなしマスカーニャマスカーニャのトリックフラワー+ふいうち:確定耐え(77.6 ~ 91.9%)
※最速でなければ抜け、タスキでなければこちらから確1なので最高ダメージ
A特化オーロンゲオーロンゲのソウルクラッシュ@珠:確定耐え(83.0 ~ 99.4%)
※攻撃してくるなら抜いている
C特化ドラパルトドラパルトのシャドーボール@珠:確定耐え(79.6 ~ 93.9%)
※モトトカゲの素の耐性としっぽきりの性質上一発目はドラゴンアロー選択がほとんどと想定しているため仮想敵
持ち物
いのちのたま
これ以下の倍率では確定数が変わってしまう場合があり、仮想敵の多くが高確率でタスキを持っているために、
- テラバーストorオーバーヒート→でんこうせっか
という打ち分けがほぼ必須となります。そのため、こちらで確定と考えています。
特性
さいせいりょく
先述の通り、基本の役割を十二分に果たすためにこちらを選択します。
性格・努力値と調整
むじゃき
C252
元々種族値が85とかなり心もとないため全振りの必要性がかなり高いと考えています。
参考までに、(実際にはあまりこのモトトカゲを対面させることはなさそうですが)はがねテラスタルしたH252ハッサムハッサムにオーバーヒートがちょうど確1だったりします。
ちなみに、種族値がより高いAでなくCに全振りしている理由としては、
- 奇襲のために炎技が必要だが、物理炎技最高火力はほのおのキバであり火力不足(H振りまでであれば電光石火込みでハッサムは倒せはする)
- タイプ一致となる非テラスタル時のテラバーストが特殊技(机上論上は基本的に打つことはないが、上のほのおのキバの問題と合わせて、物理に育成すると想定局面以外の場面であまりにも無力なポケモンとなってしまう)
の2点があります。
S244
基本の役割がとにかく上から動くことを前提としているため、極力努力値を割いています。
シーズン1環境に限れば若干の調整余地があるかもしれません。(S119のトドロクツキトドロクツキを見据えて抜き調整していたため、ここは要検討です)
H12
さいせいりょくの効率のため、実数値147の3n調整としています。
技構成
でんこうせっか
モトトカゲ唯一の先制技です。この下の技2つが奇襲の役割を担いますが、その奇襲をタスキで耐えられた後に落とされてしまってはほとんど意味がないために採用しています。
テラバースト
奇襲を目的としてテラスタルフェアリーで使用します。
この場合に打つ相手については先述の立ち回り例の通りであるため省略しますが、この型における一番の肝となる技です。
また、モトトカゲはノーマルタイプであるため、非テラスタル時にはタイプ一致威力80技となります。
オーバーヒート
ハッサム相手の奇襲に加えて、環境にはがねタイプにテラスタルするポケモンが一定数いるため、しっぽきり後に後続が倒れてのラス1対面などでそこに刺します。
テラバーストはタイプ一致補正を込みにしても威力120に留まるため、この型における最高火力技です。
しっぽきり
奇襲戦法についての文量がどうしても多くなりますが、実際にははるかにこちらを選ぶ機会の多い最重要技です。
テラスタル
フェアリー
苦手なポケモン
高火力の先制技を打ってくるポケモンとしてもう一匹セグレイブセグレイブが存在しますが、こちらはフェアリーテラバースト+電光石火でH無振りならなんとか確定(100.6-121.1%)、H252では瀕死率17.18%(86.1-103.7%)に留まります。一方で被ダメージはフェアリータイプになったとしてもA特化なら珠でも確定2発(51.8 ~ 62.1%)であるため、初手で対面した場合は可能なら素引きした方が分がよさそうです。
相性の良い味方・構築例
積みエースを比較的自由に採用できます。
先発モトトカゲしっぽきり→積んで荒らして削られて倒れる→死に出しモトトカゲしっぽきり→2体目が積む
という流れが理論上可能なので、1体目のエースが倒れた後も相手に積む隙を与えづらいのがそもそもの強みとしてあり、その形を作れない「モトトカゲが弱い試合」を極力回避できるのがこの型の特徴です。