注意
1. この育成論は2020年11月以降のランクマッチにおけるシングルバトルを想定し、登場するすべてのポケモンは理想個体を前提とする。
2. HABCDS、DM等の略称を用いる。(DM=ダイマックスとする。)
3. 採用理由1の表記を除き、ステータスの数値は、基本的に実数値にて表記を行う。
4. 当育成論のダメージ計算は、サイト「トレーナー天国」様のダメージ計算ツールを利用したものである。(トレーナー天国さんありがとうございます。)
採用理由
1. 一致氷打点を扱える
冠の雪原以後に増加するであろう多くの氷弱点ポケモンに対し致命打を与えられる。
今回は、無振りでもある程度の耐久を持つと言われている下記のポケモンを、DMせずに確定1発に出来る打点を持てることを条件とした。
2倍代表 サザンドラ努力値CS252D4(H-B実数H167B110)
4倍代表 DMランドロス(霊獣)努力値H4AS252(H-B実数H330B110)
2. 対面性能が高い(多くの相手の前で最低限の行動を行える)
1を満たせるポケモンの中でもHABDの全種族値が禁止伝説並の高水準(H100-A145-B130-D110)であることから、一致弱点でもA201ツンデツンデ鉢巻ジャイロボールなどでない限り一撃は相手の攻撃を耐え、高いA種族値からの打点を与えられるだろう確率が高い。
また、特性「しろのいななき」により相手を1体倒した際にAを1段階上げることが出来る為、物理アタッカーが誘う威嚇持ちポケモンに対して多少の耐性がある他、積み技無しに打点を上昇させることも可能である。
3. HP51の身代り+剣の舞を扱える(ある程度の対受け性能を備えられる)
身代り+積み技を持つポケモンは耐久ポケモン相手に高い崩し性能を持てるが、その中でもブリザポスはH種族値が97以上である為、H実数を204以上にすることが出来る。
H実数を204以上持つポケモンの身代りは、身代りのHPが51になることから、ラッキーサマヨールサニーゴ(ガラル)の攻撃技(地球投げやナイトヘッドといったレベル依存技)を身代りが耐えるようになる。
その為、ただ身代りを持つよりも多くの受けポケモンに対して崩し性能を確保出来るようになる。
4. ドヒドイデ+カプ・ブルルの並びに強く出れる
この2体は互いに優れた補完性能を持ち、過去のサンムーン時代の上位(当時レート2000前後)にも採用されていた構築があるという実績を持つ。
その為今後増えてくるであろうと考えられるが、ブリザポスは氷+地面の技を持つことが可能であり、1体で両者に対して弱点を突くことが出来ることから、ある程度の対策として扱えることが見込める。
5. ある程度ポリゴン2に強い
「耐久調整(確定欄調整を参照)」
「氷単タイプであることから弱点を突かれない(大ダメージを受けにくい)」
「採用理由3にて身代りを持たせた」
という3つの要素からの副産物ではあるが、C137までのポリゴン2トライアタックを身代りが確定で耐える為、ある程度ポリゴン2に対する耐性を確保出来る。(イカサマ持ちポリゴン2は苦手なので、そこのみ注意が必要。)
6. 相手にトリックルーム軸の選出を躊躇わせる効果が期待出来る
ブリザポスは2で紹介したHABDが高い種族値を持ちつつ、S30という低いS種族値をもつことから、高いトリックルーム適性がある側面がある。
今回の確定欄で採用した氷+地面の技以外にもブリザポスは格闘鋼悪虫といった広い範囲の技を覚えることから、見せ合い画面ではこちらの型が相手には分からない(トリルアタッカーと誤認させる)部分もあり、相手のトリックルーム軸の選出を躊躇わせる効果が期待できる。
1〜6より、このポケモンは相手のトリックルーム使用をある程度牽制できるだろう他、高い対面性能と多くの受けポケモンに対する補完性能を併せ持つ汎用性が高いポケモンであると言える。
確定欄調整
補正:A↑C↓
特性:しろのいななき
持物:弱点保険
個体値 H31 A31 B29〜31 Cx D31 S31
努力値 H236 A52 B0 D164 S52 余6(重要)
実数値 H:205 A:189 B:150 C:x D:151 S:57
技構成 氷柱落とし/10万馬力/剣舞/身代り
S:
・無振りドヒドイデ+2
多くのドヒドイデ相手に上から身代りを使える
H:
・身代りHP51かつ4n+1
地球投げorナイトヘッドを身代りが耐える
HP満タンから身代りが最大4回使える
D:
B<D
特性「ダウンロード」対策(主にポリゴン2を意識)
A:
H330B110ランドロス(霊獣) 氷柱落とし 確1(336〜392)(101.8%〜120.0%)
H167B110サザンドラ 氷柱落とし 確1(168〜198)(100.6%〜118.6%)
上記2つ(採用理由1参照)を達成できる数値まで確保した。
☆
技は採用理由1〜6を満たす為に「氷柱落とし/10万馬力/剣舞/身代り」で確定とする。
持ち物は各々のパーティに合わせて選択しても問題はないが、弱点保険が確定欄の理由は後述の「持ち物について」を参照。
また、努力値が6余っているが、採用理由5「ある程度ポリゴン2に強い」を満たす為に必須である為、Bに振らないこと。
唯一の例外として、B個体値が29だった場合のみBに振ること。(DL対策を維持したまま、確定欄と同じ数値を確保出来る)
持ち物について
弱点保険
確定欄。理由としては、
- 氷単である為、弱点が炎・岩・鋼・格闘というメジャーなタイプであり、比較的発動機会が多い
- 高い攻撃力と耐久を持つ為、相手視点からするとダメージレースで不利とならないよう弱点を突いて来易い
- Aが2倍になった時の恩恵が多い(DMした氷2倍龍サザンドラから炎技を受けた場合にDMを使わずに反撃し確定で倒せるようになる等)
- 剣の舞を積めなかった場合でも攻撃力を確保出来る
が挙げられる。
これらのことから他のアイテムよりも採用理由2「対面性能が高い」をより底上げすることが期待出来る為、確定欄とした。
食べ残し
回復手段が眠る以外に無い代わりに耐久数値が高いブリザポスとは相性が良いアイテム。身代りと相性が良いことから、採用理由3「ある程度の対受け性能」を強化できる。
オボンのみ、混乱実
食べ残しと同じく耐久を底上げ出来る。食べ残しと違い即効性があるので、ダメージレースにおいて有利となり易い。
タラプのみ
主にカプ・レヒレ意識。
HBorHDに厚く振る耐久型としても用いられ易いカプ・レヒレだが、1段階Dが上昇すると、C161ムーンフォースすら身代りが耐えるようになる。
(通常の場合、C116以降は身代りが破壊される確率がある。)
本来相手にし辛いカプ・レヒレも、Dを上げた状態からの身代り→積み技の流れを考慮し易くなるので、カプ・レヒレが重たいパーティであれば一考の価値あり。
各種ダメージ計算一覧(確定欄調整)
A:
・Aランク±0
H167B110サザンドラ 氷柱落とし 確1(168〜198)(100.6%〜118.6%)
H330B110ランドロス(霊獣) 氷柱落とし 確1(336〜392)(101.8%〜120.0%)
H185B90ドリュウズ 10万馬力 50.0%の乱1(170〜200)(91.9%〜108.1%)
H165B105サンダー 氷柱落とし 確1(174〜206)(105.5%〜124.8%)
H165B110パッチラゴン 氷柱落とし 確1(168〜198)(101.2%〜120.0%)
H177B156までのカプ・ブルル DM氷柱落とし 確1(180〜212)(101.7%〜119.8%)
・Aランク+2
H157B224ドヒドイデ DM10万馬力 確1(166〜196)(105.7%〜124.8%)
H187B150メタグロス 10万馬力 81.2%の乱1(180〜214)(96.3%〜114.4%)
H203B124テッカグヤ 氷柱落とし 確2(147〜174)(72.4%〜85.7%)
H203B124テッカグヤ DM氷柱落とし 確1(223〜264)(109.9%〜130.0%)
H310B95エースバーン 10万馬力 50.0%の乱1(284〜336)(91.6%〜108.4%)
・Aランク+3
H157B224ドヒドイデ 10万馬力 81.25%の高乱1(152〜180)(96.8%〜114.6%)
H177B183カプ・レヒレ 10万馬力 確2(92〜109)(52.0%〜61.6%)
・Aランク+4
H192B156輝石ポリゴン2 DM氷柱落とし 霰ダメ込93.4%の高乱1(178〜210)(92.7%〜109.4%)
・Aランク+5
H177B183カプ・レヒレ DM10万馬力 93.7%の乱1(176〜208)(99.4%〜117.5%)
H-D(身代り目安。D±0):
・等倍一致80特殊技(トライアタックポリゴン2や熱湯ドヒドイデ等)
- 身代り確定耐えライン-
C133〜C137 42〜49ダメ(20.5%〜23.9%)
- 身代りが93.7%の確率で耐えるライン-
C138〜C141 42〜51ダメ(20.5%〜24.9%)
・等倍一致95特殊技(ヘドロウェーブドヒドイデ、ムーンフォースカプ・レヒレ等)
- 身代り確定耐えライン-
C112〜C115 42〜49ダメ(20.5%〜23.9%)
- 身代りが93.7%の確率で耐えるライン-
C116〜C119 42〜51ダメ(20.5%〜24.9%)
ドヒドイデのC特化が実数115なので、ドヒドイデが身代りを1撃で破壊する手段は急所くらいしかない。
H-D(身代り目安。D+1):
・等倍一致95特殊技(ムーンフォースカプ・レヒレ等)
C161カプ・レヒレ 乱5(39〜46)(19.0%〜22.4%)
計算上C173までが身代りが確定耐え、C178までが93.7%の確率で耐えるラインとなる
H-D(目安):
C194サザンドラ 火炎放射 1.17%の低乱2(88〜104)(42.9%〜50.7%)
C194サンダー 珠DM熱風 確2(164〜195)(80.0%〜95.1%)
C194サザンドラ 珠DM大文字 12.5%の低乱1(177〜208)(86.3%〜101.5%)
C167レジドラゴ 1.2倍アイテム持ち特性込ドラゴンエナジー 169〜199(82.4%〜97.1%)
H-B(目安):
A214ランドロス(霊獣) 地震 確3(82〜97)(40.0%〜47.3%)
A167パッチラゴン 張切先制電撃嘴 確2(160〜189)(78.0%〜92.2%)
A168テッカグヤ ヘビーボンバー 確3(78〜92)(38.0%〜44.9%)
A205ドリュウズメタグロス アイアンヘッド 確2(126〜150)(61.5%〜73.2%)
A168エースバーン DMアイアンヘッド 確2(168〜198)(82.0%〜96.6%)
A168エースバーン DM火炎ボール 12.5%の乱1(176〜210)(85.9%〜102.4%)
A168エースバーン キョダイ物理炎 87.5%の乱1(204〜240)(99.5%〜117.1%)
本来の役割対象外ではあるが、ブリザポスの弱点を突いて来るポケモンに対しては、弱保込である程度勝つ確率が高まる。
それらには一応DM無しでも立ち向かえなくは無いが、基本的にDM状態で対面する方が耐久を温存出来る上に高い打点を与えられるので、余裕があるならばそちらのが良い。
(特に対エースバーンはアイテム持ちも考慮すると、ブリザポスがDM状態か否かで有利不利が大きく変わる。)
H-B(イカサマ):
・Aランク±0
不一致イカサマ 9.74%の乱4(45〜54)(22.0%〜26.3%)
一致イカサマ 99.76%の乱3(67〜81)(32.7%〜39.5%)
1/4以上削られるだろう可能性が高いことから、ブリザポスはイカサマ持ちが苦手と言える。
ダメ計はある程度のものを記述。追記の要望はコメントまで。確認後、追記の可否を検討。
注意点等
〜繰り出すタイミング〜
- 先発or死に出し
- 半減技or耐久ポケモンの攻撃技を読んで繰り出す
- ある程度の耐久を活かしDM相手への遅延を行う
基本的に上記3つが主となる。
〜苦手な項目〜
- アンコールによる起点作り(エルフーン等)
- イカサマ持ちのポケモン
- こちらがDMを使えない状態で、高い一致技火力を使ってくるポケモン(主に鉢巻や眼鏡持ち、DM+珠など)
これらの点には注意が必要。
〜相性が良いポケモン(例)〜
・氷4倍ポケモン(ボーマンダ等)
誘う氷を半減に出来る為、比較的安全に繰り出せる。
炎格闘技を半減に出来る竜・飛行であるのに加え、物理技を弱体化させられる威嚇による対物理サポートが出来ることからボーマンダ辺りが有力。
・リフレクターおよび光の壁を扱えるポケモン
ブリザポスの只でさえ高い耐久を底上げできる(身代りがA214ランドロス(霊獣)の地震を確定耐えするようになる)他、壁によりダメージが半減に出来る事を利用し、あえて弱点技を読んで繰り出して保険発動から大暴れ、といった芸当もできるようになる。
育成論は以上です
持ち物候補やダメ計や注意点等の追記要望はコメントまで。確認後、追記の可否を検討します。
☆
〜おまけ1〜
・各ポケモンの種族値比較(一部抜粋)
ブリザポス H100-A145-B130-D110 ←New!
ネクロズマ(日食) H97-A157-B127-D109 ←禁止伝説
ゼクロム H100-A150-B120-D110 ←禁止伝説
ディアルガ H100-A120-B120-D110 ←禁止伝説
バンギラス H100-A134-B110-D100 ←砂補正でD1.5倍
レジギガス H110-A160-B110-D110 ←スロースタートでAS実数半減
禁止伝説級のポケモン達のステータスを並べても遜色なくってマイナス特性がないブリザポスバンギラスこいつら一体なんなんだ・・・???
☆
〜おまけ2〜
「この論の採用理由の1〜5までを達成すれば、トリル対策はしなくても何とかなるぜ!」
という方がいらした場合、下記の型のヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマ(ダルマ・ガラル)でも達成出来なくはない、ということがコメントに寄せられて判明したので、軽く触れさせて頂きます。
ヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマ(ダルマ・ガラル)/意地or陽気/ダルマモード/襷
努:A252 D4 S252
実:H180 A192→212or211→233 B75 Cx D76 S161→205or147→187
氷柱落とし/地震/腹太鼓/(意地)欠伸or(陽気)馬鹿力
意地:
H252B156輝石ポリ2 腹太鼓氷柱 超高乱1
欠伸を搭載する余裕がある
陽気:
H252B156輝石ポリ2 腹太鼓氷柱 低中乱1
欠伸を搭載するスペースが無くなる代わりにSが上がることと格闘技による制圧範囲が広がる
通常時の対面性能を技2〜3種+襷で確保し、基本はそれのみで運用。
対受けポケモンとなった際には交換読み等で腹太鼓を積んで突破する、という動きになります。
通常の中速帯の並耐久ポケモンに上から2回動けるという面に関してはヒヒダルマ(ガラル)ヒヒダルマ(ダルマ・ガラル)に軍配が上がりますが、耐久ポケモンを相手にした際に読み合いという不確定要素が発生する為、若干安定性に欠ける点があります。
が、一度太鼓が決ってしまえばその破壊力は絶大で、爽快感すら感じるかもしれません。
もし宜しければ、こちらも試してみてはいかがでしょうか。
(むちころ犬さんを初めとした皆様ありがとうございました。)