お久しぶりです。二度目の投稿になります。
今回は私がシリーズ7,9の冠環境で愛用しているA特化物理の珠ドラパルトドラパルトを紹介します。ポケ徹にはすでにA特化物理珠ドラパルトの育成論がありますが、あちらはランドロスへの役割破壊を考えた意表を突く型であるのに対し、本論では役割対象を明確に定めない汎用エースとしてのドラパルトを考察するつもりなのでフォーク等はありません。
なお、本論ではポケ徹で広く用いられている略称を断りなく用いる場合があります。ご了承ください。一応、冗長にならない範囲で補足説明をつけるつもりでいます。
また、ダイマックスのことをDMと略す場合があります。
※タイトルに物理ドラパルトとありますが特殊技の大文字を採用しています。これは、このドラパルトが物理技のダイドラグーンとダイホロウで完結していて、余った技枠で役割範囲を広げるためです。物理受けを誘って特殊技で倒すようないわゆる両刀とは違うポケモンであることをご理解ください。
採用理由と役割
ドラパルトはこうげき(Aと呼びます)とすばやさSが高く、追加効果でぼうぎょBを下げるダイホロウで一方的に攻め立てることのできるポケモンです。相手のBを下げながら殴り続けるので、生半可な受け出しは押し切ることができ、お互いダイマックスを切りあった殴り合いにも打ち勝てます。
また、ドラパルトは選出画面では何をしてくるかわからないポケモンなので、相手の警戒の外から高火力ダイマックス技を飛ばし、アドバンテージを得ることも見込めます。
そして最も重要なのは、上の強みが相手のポケモンに依らずに成立するという一般性です。ポリゴン2など明確な不利対面はいくつか存在するものの、殆どすべての相手と戦うことができます。まさしくエースと呼べるでしょう。あとかわいい
持ち物
ダイホロウでの破壊をより凶悪にするため、ダイドラグーンでポリゴン2の受け出しを許さないためにいのちのたまを持たせます。これによりサブウェポンの大文字がHPに振った程度のナットレイを確定一発にできたり、ダイマックスなしでもそこそこ戦える火力を発揮したりします。
等倍での撃ち合い・火力面を考え今回はこれで確定とします。
特性
いかくやがんせきふうじ等S操作などによる阻害を防ぐクリアボディを推奨します。すりぬけはテッカグヤやエルフーン等の身代わりを無視出来たり便利なので、パーティ次第ではすりぬけも一考です。単体での強さは威嚇を無視してランドロス(霊獣)と殴り合えるクリアボディが最も強いと思います。
攻めることを第一に考えるこのポケモンと呪われボディは相性が悪く、今回においてはクリアボディすり抜け両方に劣ると考えます。
性格・努力値と調整
性格はAの上がるいじっぱりとしました。これについてはSの上がるようきと一長一短で、後に詳しく解説します。
特殊技のだいもんじを採用していますがとくこうCに下降補正をかけます。そもそもだいもんじやダイバーンを撃つ相手はたいてい炎4倍なので珠の補正込みで充分な火力が出ること、ダイマックスした殴り合いにおいて耐久が大切であることが理由です。
努力値は意地っ張り陽気ともにAS252、すなわちこうげきすばやさ振り切りです。
余りはとくぼうDに振るとDL調整になって良いでしょう。私はラッキーでポリゴン2を対策していたためBの方を大きくして、ポリゴン2のダウンロードでAが上がらないようにしていましたが、ラッキーのいない構築でこのドラパルトを使っていたらCの上がったポリゴン2にボコボコにされた経験があります
なぜ性格は意地っ張りなのか?
後に示しますが、意地っ張りと陽気では落とせる範囲がかなり変わってきます。高々補正1.1倍程度の差ですが、「陽気だったせいでギリギリ耐えられてしまった」例は枚挙に暇がありません。陽気で出せる火力は大抵のポケモンがギリギリ一発耐えられるラインであり、逆に意地っ張りはそれをちょうど超えて「意地っ張りのおかげでギリギリ倒せた」を生み出すんですね。後にダメージ計算で例示します。
陽気のメリットは
あたりになってきますが、どれも相手のS振りに依存することが分かります。またウオノラゴンとカプ・コケコはダイマックスを切れば準速でも勝てる(上に、最速だからといってダイマックスを切らないと相手のダイマックスに返り討ちにされる)ので、トータルで意地っ張りの方が強いと判断しました。もちろん陽気にしかない強みもあり、パーティ次第では陽気の方が合っていたりします。
技構成
- 確定技
ドラゴンアロー、ゴーストダイブ
- 選択技
だいもんじ(かえんほうしゃ)、ふいうち、りゅうのまい、リフレクター
確定技について
コンセプトである物理ダイホロウのために、最も威力の高いゴーストダイブは確定。物理ドラゴン技は他に威力の高いげきりんもありますが、非ダイマックス時にきあいのタスキを貫通できるドラゴンアローの方が使いやすいかと思われます。げきりんで固定された後にミミッキュなどフェアリーに透かされたら大変な目に遭わされますし。
選択技について
正直ここはパーティ次第でなんでも入ると思います。候補には私が使っていた大文字と龍舞を書きましたが、お好みの技を採用してもらって構いません。ダイウォールは強いので入れることをお勧めします。
- だいもんじ、かえんほうしゃ
ナットレイへの殺意です。ダイマックスカミツルギまで落とせるほか、キュウコン(アローラ)にダイバーンするとオーロラベールが張れなかったり。地味にミミッキュの皮を非ダイマックスで剥がせる貴重な技です。
※追記 だいもんじやかえんほうしゃはあくまで「ダイマックスなしで」「はがねタイプに」しか撃ちません。したがって、これを撃つ場面というのはかなり限定的な状況です。基本的には鋼相手もダイホロウで押し込みたいし、それが出来ないナットレイやカミツルギを楽に倒すために採用しています。
Aに振り切ったドラパルトで大文字を撃ったほうが強い場面は少ないです。
- ふいうち
ダイホロウでBを下げてからダイマックスの切れた相手を仕留められます。エースバーンなどの不意打ちの上から撃つと相手の不意打ちが失敗して良い気分です。
- ソーラービーム
あくなきラグラージへの殺意。どうしてもラグで詰むなら
- りゅうのまい
イチオシ。一回舞ってしまえば誰にも手が付けられません。ステロあくびから展開しても良いし、有利対面で無理やり舞ってもいい。受けループにもささやかながら抗える、最も汎用的なダイウォール枠だと思います。
- リフレクター
ランクバトル・シーズン14で強者が何人か使っていた技。エースバーンとの対面で安定した選択技になる他、ダイマックスが切れた後にも相手の巻き返しを許しません。
- みがわり
様子見やあくび透かし、ダイマックス枯らしなど用途は広いです。龍舞との相性〇
ダイウォールが強い理由
このポケモンは唐突なダイホロウ連打を得意としますが、それに耐えかねた相手が無理やりダイマックスを切ってくる場合があります。それをいなして相手のダイマックスを無下にできるダイウォールは非常に有効です。また、ダイウォールとダイホロウを交互に使ってダイマックスを枯らし、Bの下がった相手を仕留める動きも狙えるので、ダイウォールは必須と言っていいほど重要になります。
立ち回り例
このポケモンはダイマックスしてもしなくても、先発でも後発でも強いです。しかしダイホロウが強いので、基本的にはダイマックスさせて戦います。
私は初手に投げてダイホロウ・ダイドラグーンで数的有利を取りにいくのが好きですが、ダイマックスの残っていない相手を一掃することもできます。
ポリゴン2もHB特化でない限りダイドラグーンへの受け出しが不可能なので、ドラゴン技の一貫する場面でダイドラグーンを撃つことも重要です。
また、ランドロス(霊獣)やエースバーンなど物理アタッカーとの対面はダイドラグーンによるA下降で有利に殴り合えます。ドラパルトは自身の独特な耐性とドラグーンのA下降、低くない耐久によってダイマックスを切りあった殴り合いに強いのも魅力です。
与ダメージ計算
(H-B実数値、努力値配分、ポケモン名、ダメージ最低乱数~最高乱数)
ダイドラグーン、ダイホロウ(威力130)
- 165-110(H4)ランドロス(霊獣)165~195 確定1発 DMされても確定2発
(陽気だと149~177,43.7%の乱数、DMされると37.1%の乱数2発)
↑から分かるように、意地特化珠ドラパは無振り霊獣ランドロス程度のポケモンを確定1発にします。この165-110という耐久ライン付近には多くのポケモンが存在しており、例えば無振りサンダー165-105,H振りヒートロトム157-127,無振りウオノラゴン165-110などがいます。
したがって陽気ではDMランドロスをドラグーン2発で落とせないので殴り負ける可能性が出てきて、ランドロス対面ドラグーン安定ではなくなってしまいます。
- 207-93(H52-B116)ランターン 195~230 68.7%の乱数1発
(陽気だと175-208,乱数1発6.3%)
調整は本サイトの育成論のものをお借りしました。なんでランターン?と感じたでしょうが、ランターンのように環境に少なく耐性上有利なポケモンは、汎用エースを謳うこのドラパルトが絶対に仕留めなければいけない相手です。しかし陽気ではランターンすらも一撃で落とせないことが分かります。役割対象を取らないエースは火力が最優先であること、そして意地と陽気の火力ラインは多くのポケモンが一発耐えるか耐えないかのラインであることが伝わりましたでしょうか。
- 191-112×1.5(H244-B12)輝石ポリゴン2 109~129 確定2発
6割弱のダメージを与えるので、Bに振っていないポリゴン2が受けることを許しません。
- 173-123(H4)テッカグヤ 146~173
ダイマックスするアタッカーテッカグヤに対しても、B下降込みでダイホロウ2発です。実は最速テッカグヤのS124はジェット一回でS186、準速ドラパルトのS194には及びません。無論、DMしてこないテッカグヤはダイホロウ2発で落とせます。
(補足)上の計算から、耐久無振りのポケモンは大抵確定1発、耐久振りのポケモンは大抵確定2発で抑えられることが分かります。繰り返しにはなりますがダイホロウ連打でダメージ計算上の確定数をずらせるのがこの子の強みです。
ドラゴンアロー(1発分で計算)
- 185-77(H4-B76)ウツロイド 91~109 99%の乱数2発(ほぼ確定2発)
テンプレートのSブーストウツロイドを珠ドラゴンアローで落とせます。つまり初手の襷ウツロイドにも展開を許しません。同様に、そこいらの襷持ちはドラゴンアローで出落ちさせられます。
ちなみにA+1特化珠ドラゴンアローで無振りウーラオスを倒せます。水ウーラオス(れんげき)対面は龍舞から入ったりできるわけですね。
だいもんじ
これより威力の高いダイバーンも撃てることを考えると、Cは下降補正で充分なことがわかるでしょう。
またH振りテッカグヤ207-121はH振りナットレイと同等の耐久なので、大文字で確定2発です。
参考までに、実数値A189-C108だと
等倍一致ダイホロウ(ドラグーン)>ばつぐんダイバーン>等倍一致ゴーストダイブ>ばつぐん大文字
です。相手のDがよほど低くない限りは一致技の方が強いです。
被ダメージ計算
(AまたはCの実数値、努力値配分、ポケモン名、技、ダメージ最低乱数~最高乱数)
- A197(補正なしA252) ランドロス(霊獣)の珠,Aランク-1ダイジェット(元技:そらをとぶ) 133~156 こちらDMして確定2発(珠ダメ1回込み)(厳密には0.4%の乱数2発)
(こちらB下降補正だと珠ダメ1回込みで83%の乱数2発)
お互いにダイマックスを切って殴り合う想定で、ダイドラグーンでAが下げるのを考慮しています。 B下降だと霊獣ランドロスとの殴り合いにおいて下からダイジェット+上からダイジェットで殴り負けてしまいますが、Bに下降をかけなければ撃ち合いに勝てることが分かります。
- C147(補正なしC252)眼鏡カプ・コケコボルトチェンジ+マジカルシャイン
46~54+210~248<302<310=珠ダメ1回込みDMドラパルトのHP
∴確定耐え
(下降ならこの2発を46%でしか耐えない)
コケコ対面でダイホロウを切りたいので、ボルトチェンジで逃げられながらも役割を果たすためにはD下降の耐久では足りていないことが分かります。ダメージ計算によって定量的に示すのは難しいのですが、D無補正なら珠ダメが複数回入っても上の攻撃をそこそこの確率で耐えられますがD下降では耐えません。
根本的な話として、サブウェポンの大文字は決められた相手にしか撃ちませんが相手からの攻撃は殆どすべての試合で食らいます。汎用を名乗る以上、耐久を捨てるのは得策と言えません。
苦手なポケモン・相性の良い味方
いくら受け出しが効かないとはいえ、やはりポリゴン2には対面から負けてしまいます。また、ゴースト技に耐性のあるポケモンとフェアリータイプを並べられるとダイマックス技を透かされ続けてしまうし、カプ・レヒレにミストフィールドを張られるとドラゴン技まで半減されて悲しくなってしまいます。
そこで、このドラパルトの裏はポリゴン2やフェアリーに強いことが望ましいです。私はレヒレポリ2に強いラッキーを採用しましたが、ダストシュート持ちのエースバーンなども相性が良いかと思われます。あとはかいでんぱ持ちサンダーとか。
終わりに
型の豊富なドラパルトの中でも、おそらく現環境では最もスタンダードな構成になっています。おしゃれで強いドラパルト、皆さんもぜひ使ってみてください。